文学部

文学部

京都大学創立以来の自由の学風を継承しつつ、広い教養と人類文化に対する深い洞察力を備えた人材を育成する文学部には、好奇心と向学心にあふれ、多様な人間文化に対して感性豊かな人材が集います。

文学部は、東洋文化学、西洋文化学、哲学基礎文化学、歴史基礎文化学、行動・環境文化学、基礎現代文化学の各系から構成されます。約1000名の学部生が在籍し、学問や課外活動、さらに独自の課題や思索にふけるなど、多様な学生生活を謳歌しています。

理念と目標

  1. 京都大学文学部は、京都大学創立以来の自由の学風を継承し、他の学問分野との調和や融合をはかりながら、哲学・歴史学・文学・行動科学の各分野における最高水準の研究に基づく教育を推進し、その成果を通じて人類の調和ある共存に貢献する。
  2. この目的を達成するために、以下の目標を定める。
  1. 京都大学文学部は、人間の諸活動の原理的な解明と、絶えず変化する環境のなかでその諸活動が有する価値を問い直すことを通じて、哲学・歴史学・文学・行動科学に関わる学術を教授する。
  2. 京都大学文学部は、人類の文化の継承と調和ある共存に寄与し、深い専門知識と広い教養を具え、知の創造の担い手となり、かつ倫理性にも優れた学生を育成する。
  3. 京都大学文学部は、地域密着的な視点と地球規模の広角的視点の両面から、京都・日本・アジアに固有の知的遺産の維持・継承・発展に寄与すると同時に、人類の文化全般についての多元的・総合的探求を推進する。
  4. 京都大学文学部は、地域連携と国際交流の強化を通じて、教育の成果を広く社会に還元する。
  5. 京都大学文学部は、人権を尊重し、環境に配慮した運営を行うとともに、社会的な説明責任に応える。

京都大学文学部は、人間の諸活動の原理的な解明とその諸活動が有する価値を問い直すことを通じて、行動科学を含む広義の人文学に関わる学術を教授することを教育理念の根幹としています。この理念に基づき、広い教養と深い専門知識を具え、人類の文化の継承と調和ある発展に寄与するとともに、倫理性にも優れた学生を育成することを教育目標とします。この教育目標を達成するために、本学部は、人文学に関わる諸問題を学び考え、自由の学風を重んじる本学の基本理念を踏まえながら、新たな知的価値を創出することをめざす学生を求めています。この教育目標にそって、入学希望者に対しては、以下の点を入学前に具えておくことを求めます。

  1. 総合的な基礎学力をもっている。より具体的には、高等学校の教育課程の教科・科目の習得により培われる分析力や俯瞰力、またそこで学んだことを活用する力を幅広く備えている。
  2. 過去から現在に至り、さらに未来にまでのびる人類の営みへ関心と異文化を理解する能力をもっている。
  3. 高度の文章読解力と、外国語運用能力を含むコミュニケーションに関する力をもっている。
  4. 論理的かつ柔軟で、創造性豊かな思考力とそれを表現する力をもっている。

入学後には、これらの力や関心を基礎として、人文学を中心とした幅広い科目の履修と「対話を根幹とした自学自習」の理念に基づく専修での学習・修練を経て、人文学に関する幅広い基礎的学識と特定の分野に関する深い理解を身につけ、人文学の発展に貢献するとともに、強固な責任感と高い倫理観をもって人類が直面する課題の解決に積極的に寄与することができるような能力を獲得することが期待されています。

入学試験においては、そうした入学後の学習を実り多いものとすることができる程度に、上記の四項目の力や関心が具わっているかを判定します。

一般入試においては、大学入学共通テストを利用して高等学校の教育課程の教科・科目に関する総合的な学力を見るとともに、個別学力検査において入学後の学習により密接にかかわる教科・科目についてより深く学力を判定します(詳細は募集要項を照)。

特色入試においては、提出書類(「学びの設計書」等)・大学入学共通テスト・論文試験・「学びの設計書」に関連する論述試験の4つの要素を総合的に利用して判定を行います(詳細は募集要項を参照)。

京都大学文学部は、ディプロマ・ポリシーに掲げる目標を達成するために、次のように教育課程を編成し、実施する。

  1. 文学部の学生は、幅広い学問分野に触れ、全人的な教養を身につけるために、全学共通科目の各群の科目を学士課程の四年間で履修する。
  2. 二回生への進学時に系に分属し、専門分野に進む準備をするために、系共通講義、語学、基礎演習、講読などを履修する。これにより行動科学を含む広義の人文学に関わる基礎的な学識を培うとともに、専門分野についての概観を得る。また英語に限らず多様な言語を学ぶことで、豊富な原典資料や先行研究に基づき、国際的な文脈で分析、議論を行うための言語学的な基盤を築く。
  3. 専門分野の学問を体系的かつ専門的に深く学び、問題を発見する力を涵養するため、三回生への進学時に専修に分属し、演習や特殊講義を履修する。
  4. 専修における教育には、京都大学の教育理念「対話を根幹とした自学自習」に基づいた演習や実習などの参加型授業が設けられる。その授業に積極的に参加し、原典や一次資料の精読や分析・検討などを行う。少人数の対話型演習における原典や一次資料の精読や分析・検討などに参加することで、読解力および思考力を高めるとともに、他学生との議論や発表などを通じて問題を整理し解決する能力を涵養する。
  5. 卒業年次に卒業論文の提出が課される。卒業論文の構想と執筆を通じ、自ら問題を発見し、それを批判的に検討した上で解決に導く能力を磨く。このために学生は、学士課程において培った問題探求能力、分析能力、表現能力を活かし、学修の集大成とするため、教員の指導のもと、自ら論文のテーマを主体的に設定し、卒業論文を完成する。
  6. 以上の学修課程を通じて、人文学に広い教養と深い専門知識を具え、人類の文化の継承と調和ある発展に指導的に寄与できる資質とともに、強固な責任感と高い倫理性を身につける。

開講科目はシラバスや学生便覧に成績評価のあり方等を明示する。学修成果は、筆記試験、レポート試験、演習への積極的な参加等から評価するが、評価は、科目の特性に応じて公正かつ的確に実施する。

文学部の教育とカリキュラム

京都大学文学部は、人間の諸活動の原理的な解明とその諸活動が有する価値を問い直すことを通じて、行動科学を含む広義の人文学に関わる学術を教授することを教育理念の根幹としています。この理念に基づき、広い教養と深い専門知識を具え、人類の文化の継承と調和ある発展に寄与するとともに、倫理性にも優れた学生を育成することを教育目標とします。

この教育目標にそって設定された授業科目を履修し、所定の年限在学し、所定の単位数を修得した者に、学士の学位を与えます。

学士課程卒業にあたっては、以下の点に到達していることが求められます。

  1. 人文学に関わる基礎的学識を有し、その専門領域としての諸学問について深い理解力をもち、また学修成果を卒業論文として集大成できる問題探求能力、分析能力、表現能力を身につけている。
  2. 人文学に関わる課題について、問題を発見し解決する力を具え、創造的に取り組むことができる。
  3. 人文学の意義と重要性を理解し、強固な責任感と高い倫理性をもって、その発展に貢献することができる。
  4. 自由で批判的な精神と良識、および多様な文化に対する理解能力と優れたコミュニケーション能力を具え、人類が直面する課題を直視し、社会からの要請に対して自らが修得した知識と能力がどのように生かせるのかを常に自覚し、問題の解決に積極的に寄与することができる。

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