歴史としてのヨーロッパ・アイデンティティ
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ルネサンス人文主義における「修辞学」の機能とキリスト教
 
  「修辞学」は、14世紀イタリアのキリスト教世界において、異教の学問の一種として非難されがちであったが、初期人文主義者ペトラルカの推進によって、むしろキリスト教信仰に有効なものとして位置づけられ、「修辞学」は人文主義研究を正当化するものとして機能することができた。また、それとともに、ペトラルカをはじめとする人文主義者によって、「修辞学」は、対立・抗争の激しいルネサンス都市社会のなかで、都市の政争に関わる上層市民の生きる手段として機能するものと考えられ、青少年の教育の重要な一部となり、ここにおいて古典学が以後のヨーロッパの知識人の重要な教養の一部となる方向性が与えられることとなった。しかしその一方、頻発する疫病を背景に、15世紀のルネサンス社会に生きる人びとを支配したキリスト教信仰も極めて強いものが認められ、古典的価値観とともに二元的アプローチが不可欠である。(時間的に可能であれば、発表者の最近の調査・研究にもとづくこの時代の宗教的状況についても報告したい。)








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京都大学大学院文学研究科/21世紀COEプログラム
「グローバル化時代の多元的人文学の拠点形成」
13研究会「ヨーロッパにおける人文学知形成の歴史的構図」
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