歴史としてのヨーロッパ・アイデンティティ
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西欧における古典の発見と普及をめぐって
 
  ウォーラーステインによると、現代世界は15世紀末の西欧で誕生した「近代世界システム」の延長上に位置づけられる。その発端はルネサンスとほぼ重なる。現代がルネサンスの延長上にあるとすると、その知的・精神的バックボーンとしての古典の復興を検討することによって現代と古典の関係を考察することが可能になる。古典はルネサンス期に復活し、西欧近代精神の基盤となったが、その背景として通時的な軸と共時的な軸の二つの軸が考えられる。
  通時的な軸、つまりルネサンスから近代への時間的な連続性を可能にしたのは、ルネサンス期における古典の新しい読みの発見である。それによって、古典は時代と地域を越える継続的なものになったと考えられる。まずこのような視点から、ルネサンスにおける"古典の読み"の問題を考えたい。
  また、共時的な軸の一例として、造形芸術による古典の流布をとりあげる。文献による古典の再評価は実質的に一部のエリートに限定されていたが、一般への古典の普及はおもに絵画に依存していたと思われる。そこで、とくにオウィディウス『変身物語』の受容を中心に、神話を主題とする絵画をとりあげ、古典がアカデミックな領域から民衆レベルに拡大する一つの回路を考察したい。



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京都大学大学院文学研究科/21世紀COEプログラム
「グローバル化時代の多元的人文学の拠点形成」
13研究会「ヨーロッパにおける人文学知形成の歴史的構図」
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