KUDH Basics: NDLラボ・ワークショップ 開催報告

文化遺産学・人文知連携センター KUDH Basics: NDLラボ・ワークショップ 開催報告

2024年3月27日(水)  に、人文知連携拠点の主催により、NDLラボ(https://lab.ndl.go.jp/dl/)が提供する実験サービスを解説する「KUDH Basics: NDLラボワークショップ」をオンラインで開催しました。人文知連携拠点では、人文学・社会科学分野の連携のきっかけのひとつとして分野横断的にデジタル的手法を学ぶ機会を提供してきました。その取り組みの一つとして、初学者でもデジタルツールを実践できるようになることを目的に、「Kyoto University Digitization Hub of the Humanities, Social and Cognitive Sciences (KUDH) Basics」と題したワークショップシリーズを2021年より始動しました。

今回のワークショップでは、国立国会図書館から2名の講師をお招きして、NDLラボが提供する実験的なサービスについて解説していただきました。授業動画は人文知連携拠点の Webサイト(https://www.ceschi.bun.kyoto-u.ac.jp/kyoten/)に公開されています。ワークショップは午後(13:00~15:00)に4部構成で行われました。第1部では、大沼太兵衛氏に次世代デジタルライブラリーの機能について解説していただいた後、参加者が国立国会図書館の次世代デジタルライブラリーから建物の写真や古典籍資料を検索し、結果をテーブルやテキスト形式で抽出する演習を実施しました。第2部では、青池亨氏が「次世代デジタルライブラリーAPI」の概要を説明した後、参加者がGoogle Colaboratoryを使い、資料PIDの一覧を取得するデモを行いました。第3部では、大沼氏によるNDL Ngram Viewerの機能と正規表現検索のレクチャー後、指定された検索語の出現頻度を調べる演習を行いました。第4部では、NDLラボのGitHubとデータセットについて、青池氏の説明を受けながら、参加者がNDL古典籍OCRのチュートリアルを使って古典籍資料をテキスト化しました。全体を通して、参加者は実践的なスキルを身につけ、次世代デジタルライブラリーの活用方法を深く理解する良い機会となりました。

ワークショップの様子(大沼太兵衛 氏、於 オンライン開催)
ワークショップの様子(青池亨 氏、於 オンライン開催)
ワークショップの様子(大沼太兵衛 氏、於 オンライン開催)
ワークショップの様子(青池亨 氏、於 オンライン開催)

今回のワークショップには、学内外から学部生や大学院生、大学教員、図書館職員、会社員など約 25 名が参加しました。事前アンケートによれば、受講者のうち約3割はNLDラボの使用経験があり、約半数は完全な初心者でした。受講後アンケートによれば、基礎的な内容については充実度・理解度共に高評価でしたが、一方で、日々進化するライブラリーサービスの利用を望む声も多く寄せられました。今回の内容を踏まえて、より高度なデジタルツールを紹介するワークショップの開催を現在検討しています。

今回のワークショップが、参加者にとって、研究活動におけるデータ分析技術向上の一助になれば幸いです。人文知連携拠点では、今後もデジタルツールを用いた研究手法・データ管理について入門的なワークショップを開催していきたいと考えています。なお、本ワークショップは若手重点戦略に関連する活動です。