京都大学中国語学中国文学研究室は、1997年に新館へ引越して以来、新館7階711号室にあります。窓からは五山の送り火の「妙」「法」「舟形」を眺めることが出来る、眺望の良い研究室です。
本研究室は、学部外や学外からの協力も得て授業が実施されています。学部生や院生は、毎年0~4人程度が新たに仲間に加わり、留学生は年によってまちまちですが、各地からやって来ます。学部生や院生は研究室の運営や中国文学会の開催に積極的に携わり、和気藹々とした雰囲気を保っています。
研究室の左右の壁には天井の梁まである本棚が並びます。こちらの本棚には中国語学・中国文学の基礎的な書物や工具書が収められています。
主に学部生・院生は研究室で予習をし、分からない点や見たい文献があると、附属図書館や文学研究科図書館、人文科学研究所図書室、人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター図書室などへ調べに行くことが多いです。
こちらは入り口ドアから向かって右側の本棚です。基本のキである四部叢刊、利用と経年劣化でボロボロになっている叢書集成、中国の方言研究文献、研究室発行の『中國文學報』や他大学からいただいた研究紀要などが所狭しと並べられています。
こちらは授業風景ではなく、博士課程に在籍する院生の研究報告合評会の一コマです。
博士課程在籍者は、年次研究報告を提出します。年度末になると博士過程の院生が主体となってその年次研究報告の合評会が開かれます。参加は修士も含めた院生全員と、オブザーバーとして全教授陣が来ます。
司会者がいて、発表者は司会者に促されて自分の論文の要旨を説明します。その後、その論文の担当となっている他の院生から鋭いコメントや疑問が投げられます。発表者は的確に分かり易く、なおかつ聞いている人たちにもきちんと伝わるよう、その問いに答えなければなりません。向こうの席で自分の指導教官が難しい顔をしてレジュメを睨んでいるのが見えるので、発表者にとっては、学会発表とはまた違う緊張に包まれる一瞬です。
もちろん普段の研究や授業においては、京都大学の自由の学風の精神が息づいています。
誠実な予習に基づいた上での、学部生・院生個人の自由な発想力はとても大事にされていますし、一方で丹念で緻密な読解もまた、授業の中で重視されています。
学部生・院生に求められるレベルは始めのうちは高いと感じるかもしれません。けれども先輩方が優しく(時には厳しく)教えてくれることも多いです。そうやって調べ方を学んでいく過程で、中国語学・中国文学の奥深さと面白さをともに感じるようになるのだと思います。
最終更新日 2010/09/01