西洋文献文化学 英語学英米文学専修

家入 葉子 教授
英語学
廣田 篤彦 教授
シェイクスピア、ルネサンス文学
森 慎一郎 教授
アメリカ文学
小林 久美子 准教授
アメリカ文学
南谷 奉良 准教授
英文学

本専修では、英語学、英文学、アメリカ文学関係の講義を提供しています。学部では英語学英文学専修とアメリカ文学専修に分かれていますが、大多数の科目はどちらの専修の科目としても認定されるようになっています。大学院では2つの専修が統合されて英語学英米文学専修となります。講義は専任教員のほか、人間環境学研究科および学外の非常勤講師によって行われ、英文学、アメリカ文学、英語学の主要な分野を網羅するよう工夫されています。

英文学では基本的に英国の作家、アメリカ文学ではアメリカの作家によって書かれた文学作品について研究します。その際、作品が書かれた歴史的・文化的背景も理解する必要がありますが、最も大切なのは作品のテクストの読解です。辞書を徹底的に活用しながら、作品の理解を深めてください。卒業論文の対象は、英語で書かれた文学作品なら、何を選んでも構いません。選択は学生の自由に任されています。論文は英語で執筆しますので、日頃から英語の運用能力を高める努力が求められます。

英語学では、古英語・中英語から現代英語に至る、あらゆる時代の英語を、語学的に研究します。文献を利用して文法、語彙、意味等の分析を行うことはもちろん、会話資料等を利用して談話分析を行うなど、多方面から英語への理解を深めます。また卒業論文の対象として現代英語を選んだ場合は、英米以外の英語を研究の対象とすることも可能です。

最近の卒業論文

  • ・A Study of The Lord of the Rings
  • ・A Study of Pride and Prejudice
  • ・A Study of The Member of the Wedding
  • ・Sylvia Plath and Postwar Eugenics

最近の修士論文

  • ・A Quantitative Analysis of the Synonymic Expressions of No more than, Only and Mere
  • ・A Study of Yeats’s “The Tower” and “Meditations in Time of Civil War”
  • ・The Design of The Mezzanine
  • ・“That Minute’s Exchanged Look”: Rosa Coldfield’s Spirit in Absalom, Absalom!

最近の博士論文

  • ・Aspects of the ‘Poor Man’: Handicapped Lovers in Hardy’s Novels
  • ・Patterns and Functions of Unspecific Nominal Phrases in English: From Lexis to Discourse
  • ・Reading Nabokov’s Framed Landscape
  • ・John Updike at Work: The Art of Revision in His Early Fiction

研究室にて(英語学英文学専修)

授業風景(英語学英文学専修)

授業風景(アメリカ文学専修)

文学部受験生向けメッセージ

本専修は学部段階では「英語学英文学」と「アメリカ文学」に分かれていますが、大学院では一つに統合されています。

英語学英文学専修

みなさんのなかにはこれまでシェイクスピアの劇を見たり、ハーディの『テス』やスウィフトの『ガリバー旅行記』を翻訳で読んだり、ワーズワースの「水仙」や「虹」の詩を読んだ人も多いかと思います。そのなかで、それらを原文で読んでみたい、あるいはその作家についてもっと詳しく知りたいと思った人もいるはずです。また今まで習ってきた英語に関して、その歴史を勉強したいと思っている人もいるかもしれません。このような人に本専修に入ってきてほしいのです。

もちろんこれまで英文学の本など読んだことがなくても、これからやろうという意欲のある人も歓迎します。

みなさんの旺盛な好奇心を満たすべく、本専修では古・中英語期から現代に至るまでの時期の主要な文献や作品をできうる限り網羅するように努めています。日本人教員による演習、講読ではテキストを正確かつ厳密に読む訓練を行っています。この厳密な読解訓練が本専修の伝統となっています。また同時に英米人講師によるさまざまな講義や英作文、実習などを通してバランスのとれた英語能力の向上にも力を注いでいます。

アメリカ文学専修

アメリカ文学で、高校生諸君にとって一番馴染みのある作品は『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(『ライ麦畑でつかまえて』)でしょうか? それとも『アンクル・トムの小屋』、『ハックルベリー・フィンの冒険』、『グレート・ギャツビー』、あるいは『怒りの葡萄』ですか? これらの作品の作者がそれぞれニューヨーク出身のユダヤ系アメリカ人、ニューイングランド出身の女性、ミシシッピー川沿いの生まれ、中西部ミネソタ州出身、カリフォルニア生まれであるように、アメリカ文学を生み出す風土は地理的に非常に広汎です。それに、他の国民と少し違って、アメリカ人とは、多種多様な人種(先住民、白人、黒人、アジア人他)やさまざまな祖国を持つ人たちによって構成された国民です。

読書会の様子(アメリカ文学専修)

そんな国民の文学は、いきおい、ヨーロッパ文学の流れを汲む白人の文学、奴隷体験記に始まる黒人の文学、開拓者や移民の文学、エスニック・マイノリティの文学など、多彩を極めます。また、日本やヨーロッパの国々の文学と較べて、アメリカ文学の歴史はせいぜい3、4世紀とたいへん浅いから、その特徴はややもするとラディカルであったり観念的であったりします。

アメリカやアメリカ人を知るにはその歴史や法律を研究する方法もありますが、それを肌に触れるがごとく理解するには、やはり、文学作品を読んでみることが一番でしょう。また、英語の勉強方法もさまざまですが、究極的には、表現に最も敏感で苦心する文学者の英語を学ぶことに尽きます。

しかし、何と言っても、ここ(アメリカ文学専修)での最大の歓びは、そんな作品を(原書で)読んで愉しむことです。これはなかなか捨てがたい愉しみです。

英語学英米文学専修ウェブサイト

大学院研究科受験生向けメッセージ

本専修は学部段階では英語学英文学とアメリカ文学に分かれていますが、大学院では一つに統合されています。本専修の特殊講義および演習は専任教員のほか、人間・環境学研究科および学外の教員によって行われ、英語学英文学およびアメリカ文学のほぼすべての分野を網羅するようになっています。英米人教員によるものを除いて、講義および演習は日本語で行われますが、その場合にも教材は英語の原典を用い、作品の正確で厳密な読解を特に重視します。

研究テーマおよび方法論はすべて学生の独自性にまかされており、自由なテーマについて研究を進めるのが本専修の基本方針です。ただし、とくに前期課程においては特定の狭い分野にのみ目を向けることなく、隣接する分野についても広い関心を養ってほしいと思っています。

最近では外国での学会で院生が研究発表を行う機会も珍しくありません。研究室で行われる外国からの研究者による特別講演、セミナー等にも積極的に参加・貢献することが望まれます。

英語学英米文学専修ウェブサイト