- 津田 謙治
- 初期キリスト教思想
キリスト教学専修は1922(大正11)年に創設されましたが、特定の信仰や教義と結びつくキリスト教神学(神学部)とは異なり、キリスト教を純粋に学問的な見地から研究することを目的とし、キリスト教の歴史と思想の全般にわたる研究教育を行っています。キリスト教が西洋世界の思想や文化の伝統的な基盤であることは言うまでもありませんが、現在キリスト教は、アジアやアフリカを含む世界の諸地域に広がり、新しい文化世界を生み出し、また人類全体に多くの影響を及ぼしつつあります。キリスト教学専修では、こうしたキリスト教という広範かつ多岐にわたる研究対象にアプローチするために、関連する諸研究分野と連携し多面的な角度から研究教育を進めています。
たとえば、偉大な思想家が残したテキストの読解に基づく文献学的歴史学的研究はもちろん、キリスト教についてのフィールド調査やキリスト教芸術作品(建築、絵画、音楽、文学)の分析など、様々な研究方法が考えられます。こうした中で、本専修において、特に研究教育の力点が置かれているのは、次の分野です。旧新約聖書学、キリスト教思想史(特に、古代教父、宗教改革、近現代キリスト教思想)、キリスト教思想の体系的・宗教哲学的研究。
また、本専修では、通常の授業(講義、演習など)のほかに、様々な研究会や読書会を企画し、学生が積極的に学ぶ場を提供しています。
最近の卒業論文
- ・ジョン・ヒックの神義論と宗教多元主義仮説の理論的考察
- ・初期キリスト教文書における「苦難の僕」としてのイエス像の形成
最近の修士論文
- ・証聖者マクシモスにおける「神人的エネルゲイア」
- ・前期パウル・ティリッヒにおける「宗教哲学」と「諸学問の体系」
最近の博士論文
- ・宗教の根源への問い ― 前期・中期パウル・ティリッヒの宗教哲学的思索
- ・後期アウグスティヌスにおける欲望の問題
神戸栄光教会・会堂(阪神淡路大震災後、2004年に再建)
研究室
ユダヤ教関連図書など(研究室所蔵)
文学部受験生向けメッセージ
キリスト教学専修は1922(大正11)年に創設されましたが、特定の信仰や教義と結びつく神学とは異なり、キリスト教を純粋に学問的な見地から研究することを目的とし、キリスト教の歴史と思想の全分野にわたる研究と教育を行っています。
キリスト教が西洋の思想や文化の伝統的な基盤であることは言うまでもありませんが、現在キリスト教は、アジアやアフリカを含む世界の諸地域に広がる中で、新しい文化世界を生み出しつつ、人類全体に多くの影響を及ぼしつつあります。こうしたキリスト教という研究対象にアプローチするには、関連する諸研究分野と連携した多面的な方法論が必要になります。たとえば、偉大な思想家の残したテキストの読解から現在のキリスト教についてのフィールド調査まで様々な研究方法が考えられますが、その中でも、本専修においては、特に次の分野に研究教育の力点が置かれています。
- 旧約・新約学
- キリスト教思想史、特に古代教父、宗教改革、近現代キリスト教思想
- キリスト教思想の体系的、宗教哲学的研究
こうした研究教育においては、テキストの文献学的あるいは歴史学的研究をもとにした、キリスト教思想の厳密な理解がめざされます。したがって本専修志望者には、まず原典による研究を行うに必要な語学の習熟が期待されます。また同時に、キリスト教の歴史や思想と深い関わりをもつ哲学史や宗教史などについての知識も大切です。しかし、何よりも志望者には、キリスト教という対象と正面から学問的に向き合おうという知的好奇心と、それを実現するに必要な学習意欲が望まれます。
授業は、本専修スタッフによる講義、特殊講義、演習、講読の他、学外からの非常勤講師によって、上記の諸分野をほぼカバーするように行われ、さらに他専修との共通の授業も含めることによって、キリスト教思想についての十分な学習が可能になるように配慮されています。
キリスト教の思想、文化、歴史などに関心のある方に、キリスト教学専修は充実した学びの場を提供いたします。詳細は、専修のウェブサイトをご覧下さい。
大学院研究科受験生向けメッセージ
キリスト教学専修は大正11年(1922)に創設されたが、特定の信仰や教義に基づく神学部とは異なり、キリスト教を純粋に学問的な見地から研究することを目的とする。この点で、本専修はキリスト教思想を研究対象とする諸大学の関連講座の中でも特徴的な位置を占めている。研究と教育はキリスト教の歴史と思想の全分野にわたって行われているが、その中でも伝統的には次の分野に力点が置かれている。
- 旧約・新約学
- キリスト教思想史、特に古代教父、宗教改革、近現代キリスト教思想
- キリスト教思想の体系的、宗教哲学的研究
こうした諸分野に関して高度な学問的な研究を行うためには、原典に即した文献学的あるいは歴史学的研究を基礎にした、キリスト教思想の厳密な理解が要求される。したがって、本専修志望者には、原典研究を行うに必要なギリシア語、ラテン語、ヘブライ語などの古典語の習得と、近代語(英語、ドイツ語、フランス語など)についての習熟が期待される。また、キリスト教の歴史や思想と深い関わりをもつ思想史(教会史や教理史の他に、哲学史や宗教史なども含む)についての知識も大切である。しかし、何よりも、志望者には、キリスト教を学問的に研究したいという意欲と情熱、そして基礎的な語学や知識の学習に要する持続力が望まれる。
授業は、本専修スタッフによる講義と演習のほか、学外からの非常勤講師によって、上記の諸分野をほぼカバーするように行われ、さらに他専修との共通の授業も含めることによって、キリスト教思想についての十分な学習が可能になるように配慮されている。
キリスト教学専修では、ドイツのハイデルベルク大学神学部と学術交流合意書を取り交わし、また韓国や中国の研究者との学術交流を行うなど、キリスト教学研究を広い国際的視野のもとで進めるよう努めている。