2024年11月22日に京都大学文学研究科で開催された公開講演会「作家ユーリー・オレーシャとスターリン時代」についてご報告します。当日は、会場に約20名、またオンラインでも多数の方が参加されました。イリーナ・オズョールナヤ先生は「作家は魂の技師」という有名なスターリンの発言とオレーシャの言説との関係を分析され、アイテン・イグナートワ先生は、オレーシャの『1行とて書かざる日はなし』を、従来の枠を超えた新しい文学形式の創出と捉える考察を展開されました。どちらもたいへん興味深いご講演で、1920年代のロシア語文学を元々の専門とする私は、強い刺激を受けました。オレーシャを研究対象の一つとされてきた沼野充義先生がオズョールナヤ先生と議論されるなど、質疑応答も活発でした。ご講演者のお二人、司会の古宮路子先生、またこの講演会に参加された皆さん、どうもありがとうございました!