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研究会趣旨
21世紀の世界は、科学技術のさらなる開発と発展によって、これまでを上回る速度でいっそうグローバル化していくことでしょう。しかし、交通・通信が今日のように発達していなかった時代においても、人々は異なる文化圏の間で驚くほど自在に、そして柔軟に往来してきたのでした。当時の手段が制限されていたことを思えば、その交流の活発さには感嘆するほかありません。文化は古くから常に外へ拡がろうとするものであり、そこに生じた接触によって個々の文化が展開してきたのでした。そうした過去の文化交流のありさまを探求することは、今日そして今後のグローバル化がいかにあるべきかを考えるうえでも、貴重な指針になるにちがいありません。 私たちは地域を極東に絞り、その地でかつて行われてきた文化の交わりを様々な相から考えてみたいと思います。中国の文化・学術を周囲の日本や韓国などはどのように受容したのか、中国の文学は日本の文学にどのように取り込まれたのか、或いはまた日本における西欧近代の摂取はどのように中国に伝わったのかなど、参加者それぞれの関心をもとにした多様な交流のありさまが対象となります。研究会の活動を通して個々の研究を推進するとともに、分野・領域の異なる研究の最新の成果に触れることによって、新たな視点を獲得し、従来の枠組みを越えた展開を目指します。 研究会はさらに二つの研究班に分けて推進していきます。「乾の会」は文学研究科の教官を中心メンバーとし、参加者の研究発表、国内外の研究者を招聘したスピーチを内容とします。 (リーダー 川合康三)
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