arc-dair2003-1

京都大学考古学研究室の最近の調査活動から

紫金山古墳発掘調査の進捗状況(2003年度)

調査第1週(2003.8.1~2003.8.6)

2003.8.6
 後円部西斜面に設定したトレンチの掘削作業がはじまり、ようやく各トレンチでの発掘作業が本格化しました。後円部西斜面トレンチでは、表土掘削を終了。前方部北斜面トレンチでは、転落した葺石と思われる石の出土状況が次第に明らかになりつつあります。前方部東斜面トレンチは、土層の違いを検討しつつ、掘削作業を進めました。
 本日は、2名の来客がありました。どうもありがとうございました。


2003.8.5
 前方部東斜面・北斜面のトレンチで掘削作業を進めました。北斜面では、木の根の除去に手間取りつつも、表土下の黄褐色土の上面で、転落したと思われる葺石があちこちで顔を出し始めました。その間からは少量ですが埴輪片も。ところが桟瓦片も混じっていますので、さらに掘り下げる必要がありそうです。東斜面は安定した層がみつからず、また石や遺物がほとんど出土しないこともあって、慎重に掘削作業を進めています。
 3時前に、遠くで雷がなりだし、黒い雲が近づいてきたので、大事をとって早めに機材を撤収。しかし、思ったほど雨が降らなかったので、夕方、後円部西斜面の発掘前写真をようやく撮影することができました。明日からは掘削を始めることができそうです。
 本日は、4名の来客がありました。どうもありがとうございました。


2003.8.4
 朝、雲がでてくれたおかげで、前方部東斜面と北斜面の発掘前写真撮影を終了。トレンチを正式に設定して、掘削作業をはじめました。腐食土層の掘削に手こずりつつ、表土下の土の状況が、次第に見えてきています。明日以降、墳丘の構造の追求が本格的にはじまることになります。
 本日、4名の来客がありました。ご指導、ありがとうございました。


2003.8.3
 今日も、各トレンチでの清掃作業が続きました。並行して進められていたトレンチ設定作業もほぼ終わり、掘削作業がいつでもはじめられる状態となりました。ただ、天気がよすぎてなかなか写真撮影のチャンスがやってきません。夕方、前方部北斜面の調査区の写真撮影をどうにか終えました。明日、写真撮影が終わったトレンチから、掘削作業をはじめたいと思います。


2003.8.2
 発掘前の写真撮影のために、雑木を伐採し、枯葉や下草を丁寧に除去していく作業を行いました。後円部西斜面は清掃を終了し、残る2地区も、明日中には清掃を終了できそうです。ただし、調査区の位置の関係から写真撮影が可能な時刻が限られているために、どのタイミングで撮影すればよいか、一日中空を見上げていました。トータルステーションを用いたトレンチ設定作業も進んでいます。できれば明日から、一部で掘削作業をはじめたいものです。


2003.8.1
 いよいよ本日より発掘調査がはじまりました。前日トラックに積み込んでおいた荷物を現場と宿舎に振り分けておろし、現場では機材の整理後、後円部墳頂と調査予定地域の草刈りをおこないました。3月の測量時にかなり伐採をしたおかげで、思ったより作業は進んだものの、ここ数日急に暑くなったこともあって、少々へばり気味でした。宿舎整備班も、足りないものが多くて右往左往した場面もありましたが、どうにか生活できる程度にはなりました。明日からは本格的な現場作業がはじまる予定です。


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