西村 雅樹(にしむら まさき)名誉教授

研究テーマと関心領域

●自己紹介
1947年京都市生まれ。京都大学文学部ならびに大学院文学研究科で学んだ後、まず愛媛大学教養部、さらに広島大学総合科学部に勤務しました。
広島大学在職中に2年ほどオーストリア政府奨学留学生としてウィーン大学に留学しました。この時のさまざまな見聞は今も大いに役立っています。
2000年からは京都大学大学院文学研究科・文学部の教授を務め、2012年に定年退職しました。現在は、広島大学と京都大学の名誉教授です。
●研究テーマ
ドイツ語圏の文学や文化には広く関心を寄せていますが、主な研究対象は、「世紀末ウィーン文化」と呼ばれる十九世紀末から二十世紀初頭にかけての文化です。文学や音楽や美術や思想などの分野が互いに深く関わりあっていたこの文化を、文学を中心として総合的に研究しています。なかでも、この時期のウィーンの代表的な評論家であるヘルマン・バールの評論活動に強い関心を寄せています。また、このバールをはじめ、ホフマンスタールやヴィトゲンシュタインに見られる、言語化するのが困難な根源的体験の表現という問題にも取り組んでいます。

主な著作

『世紀末ウィーンの知の光景』、著書、鳥影社 2017
『世紀末ウィーン文化探究――「異」への関わり』、著書、晃洋書房 2009
『言語への懐疑を超えて――近・現代オーストリアの文学と思想』、著書、東洋出版 1995
ヘルマン・バール『世紀末ウィーン文化評論集』、編訳書、岩波書店(岩波文庫) 2019
ユーリウス・H・シェプス編『ユダヤ小百科』、訳書(共訳)、水声社 2012
アルブレヒト・ゲース『泉のほとりのハガル』、訳書、日本基督教団出版局 1986