2021年7月5日、京都大学文学研究科科学哲学科学史専修の伊藤和行教授が亡くなられました。先生は京都大学におられた年月の間に多くの学生を育てられ、ガリレオの研究を中心に科学史のさまざまなテーマについて地道な研究を積み重ねてこられました。また、同研究室の紀要である『科学哲学科学史研究』の編集も中心となって担ってこられました。そうした先生への学恩と先生の学術的なご功績を記憶にとどめ、先生の早すぎるご逝去を悼むために、同誌において先生の追悼記念号を企画いたしました。伊藤先生と学術的な交流を持たれた方々のご寄稿を広く受け付けたいと思いますので、原稿をお寄せください。
寄稿概要
寄稿カテゴリ
通常の投稿カテゴリ(論文、サーベイ論文、研究ノート、書評、翻訳)に加えて、今号では以下の2つのカテゴリの寄稿を受け付けます。
1 追悼エッセイ(4000字以内) 伊藤先生との思い出などの文章(査読なし)
2 寄稿論文(20,000字以内) 伊藤先生と関わりのある方たちの科学哲学科学史に関する論文のご寄稿(査読なし)
寄稿資格
伊藤先生と学術的な交流を持たれた方々のご寄稿を広く受け付けます。
寄稿の流れ
・寄稿いただける方は2022年7月末日までに本誌事務局メールアドレスまで(1)お名前(2)ご所属(ある場合)(3)メールアドレス(4)寄稿カテゴリをご連絡ください。後日、提出用のTeXのテンプレートと原稿作成マニュアルを事務局からお送りいたします。
・原稿は2022年9月末日までにご提出をお願いいたします。寄稿論文の場合には200語程度の英文要旨も添えてご提出ください。
・すべての原稿について編集委員が掲載の可否を判断します。追悼エッセイと寄稿論文については査読は行いませんが、事務局より内容の修正についてご連絡させていただく場合がありますのでご了承ください。
・投稿についてのその他の事柄については、公開されている投稿規定および投稿受付時に送付する作成マニュアルを参照してください。投稿規定は以下のpdfをご参照ください。
https://repository.kulib.kyoto-u.ac.jp/dspace/bitstream/2433/262963/1/phs_15_a.pdf
発行日時および形態
追悼号は2023年3月末日公開を予定しています。本誌は数年前よりオンラインのみでの刊行となっており、本追悼号もオンラインのみでの公開となることをご了承ください。
連絡先
『科学哲学科学史研究』編集事務局
editor.phsstudies@gmail.com
2021年7月5日、京都大学文学研究科科学哲学科学史専修の伊藤和行教授が膵臓癌で亡くなられました。先生は2022年3月に定年退職を控えておられました。
先生のご葬儀は北海道のご実家近くの葬儀場で行われ、コロナ禍の状況もあって同僚や教え子もほとんど参列することができませんでした。そのため、伊藤先生を偲ぶ会を別途開催することを関係者で企画しておりましたが、コロナ禍の状況は変わらず、このたびZOOMを利用してオンラインで開催することとなりました。
当日は何人かの方から長めのお話をいただく他、できるだけ多くのゆかりの方に伊藤先生の思い出を語っていただければと思っております。また、当日参加できない方、参加しても発言機会がなかった方のために、伊藤先生へのメッセージも集めたいと考えております。参加を希望される方、メッセージをお送りいただける方は、下記フォームを利用して、参加のご登録、メッセージのご連絡をお願いいたします。
記
伊藤和行先生を偲ぶ会
日時 2022年3月17日(木)14時より
場所 オンライン(ZOOM利用)
※ZOOMのアドレスは事前登録いただいた方にメールでご連絡さしあげます。出席できない方のために録画して限定公開することを予定しています。
式次第
開会の挨拶
黙祷
伊藤和行先生のご業績の紹介
伊藤先生の思い出
(予定:斎藤憲先生、内井惣七先生、小野澤透先生)
教え子座談会
メッセージ紹介
出席者からの一言
ご家族からのご挨拶(伊藤博明様、伊藤もゆら様)
閉会の挨拶
終了後、ZOOMのブレイクアウトルームを使った懇親会も予定しています
参加登録・メッセージフォーム
参加の登録およびメッセージについては以下のフォームをご利用ください。
https://forms.gle/VLXyXokpatUzP7N87
伊藤和行先生を偲ぶ会実行委員会
(伊勢田哲治、小長谷大介、瀬戸口明久、佐野勝彦、杉本舞、有賀暢迪、稲葉肇、河西棟馬、岡村眞紀子)
実行委員会へのお問い合わせは、以下のメールアドレスでお寄せください
itosensei.shinobukai@gmail.com
アブストラクト:
確率の哲学は今でも議論の止まない科学上の大きな問題の1つである.
本講演ではまず哲学的な発展の歴史を振り返る.
その後,確率の数学的定式化の研究の中から生まれた
アルゴリズム的ランダムネスの理論とその周辺を紹介する.
最後に,最近得られた結果からアルゴリズム的観点から見て,
確率とはどんな概念なのか議論を進める.
今回の講演用のスライドを以下の場所でみることができます。http://kenshi.miyabe.name/wordpress/?p=688&lang=ja
科学哲学の研究は近年日本と韓国のそれぞれで盛んになっていますが、これまで国際会議で顔を会わせるといった個別の機会以外、交流はあまりありませんでした。そこで、今回、韓国から若手の研究者5人をお招きするとともに、日本からも新進気鋭の5人に発表をお願いし、ワークショップを企画しました。お忙しい時期かと思いますが、この交流の機会に多くのみなさんに参加いただけることを望んでおります。
Program:
February 21, 14:00-16:30, Session 1
February 21, 16:45-19:15, Session 2
Reception
February 22, 9:00-10:30, Session 3
February 22, 10:45-12:15, Session 4
end of the workshop
バターフィールド先生はケンブリッジ大学のSenior Research Fellow であり、物理学の哲学の領域における代表的な研究者のひとりです。今回来日の機会に本研究室でもご講演いただけることになりました。当日の講演は英語です。
今回の講演のもとになる論文は以下の場所でみることができます。http://philsci-archive.pitt.edu/8355/
Abstract:
This is a companion to another paper. Together they rebut two widespread philosophical doctrines about emergence. The first, and main, doctrine is that emergence is incompatible with reduction. The second is that emergence is supervenience; or more exactly, supervenience without reduction. In the other paper, I develop these rebuttals in general terms, emphasising the second rebuttal. Here I discuss the situation in physics, emphasising the first rebuttal. My examples are: the method of arbitrary functions (in probability theory); fractals (in geometry); superselection for infinite systems (in quantum theory); and phase transitions for infinite systems (in statistical mechanics).