古代世界における学派・宗派の成立と<異>意識の形成 VAADA

Virtual Ancient Arguments on Difference and Affinity

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Newsletter No.2

2003年5月16日発行

目次

●第2回研究会報告(要旨)
1.チベット宗義文献について(御牧克己)
2.オンライン共同研究システム構築に向けて(山田 篤)
3.ハリバドラ作『シャッド・ダルシャナ・サムッチャヤ』について(赤松明彦)
●前年度の活動報告
●本年度の活動予定・連絡事項
●編集後記

第2回研究会報告(要旨)

●チベット宗義文献について

  御牧克己 (京都大学大学院文学研究科・教授)

 諸学派の論争を低次元から高次元への<異>意識の克服と統合ととらえ、古代インドにおける<異>意識の問題を探る格好の材料の一つとしてチベット宗義文献を取り上げることを提案したい。今回はその初回であるので全般的に簡単な見取り図のみを示しておきたい。

 チベット宗義文献にはトゥカン三世ロプサン・チョキニマ (1737-1802)の『宗義の水晶鏡』に代表されるようなチベットの諸宗派の立場を解説したものとインドの諸学派の立場を叙述したものとの二種類が知られているが、本研究会に於いて取り上げるのは後者である。

 後者のチベット宗義文献は所謂「仏教四大学派」−毘婆沙師(説一切有部)・経量部・瑜伽行唯識学派・中観派−の思想的立場の解説が中心となっており、外界実在論から外界非実在論へ、無形象知識論から有形象知識論を経て空の思想へ登りつめるというプロセスをとっている。そしてこのプロセスはまたそのままある種の瞑想の階梯ともなっている。

 この種の宗義文献が注目されるに至った最初はロシアの碩学ワシリエフの後期仏教史の明瞭な記述であった。ロシア語原文の彼の書物は A. Schiefner による独訳 (Wassilief, W., Der Buddhismus, seine Dogmen, Geschichte und Literatur , St. Petersburg, 1860)と G. La Comme による仏訳(Vassilief, V., Le bouddhisme, ses dogmes, son histoire et sa litterature, Paris, 1865.)とによってもっぱら流布していたが、ダルマキールティやジュニャーナガルヴァやシャーンタラクシタといった後期仏教の巨匠の思想のまだほとんど解明されていない時代になされた彼の明解な叙述に我々は目を見張ったものである。結局彼の記述はジャムヤンシェッパ(1648-1722)の『大宗義書』(Grub mtha' chen mo)に依っているものであることが解ったが、その『大宗義書』もどうすれば参照出来るのかもよく解らないような時代であった。その後それ以外にも多くの宗義書が存在することが解り現在に至っている。

 チベット宗義文献は(1)仏教四大学派の思想だけを述べたもの、が中心となるが、その他に、(2)外教の諸学派の思想を述べて次いで仏教四大学派の思想を述べたもの、(3)仏教四大学派の思想に続いて密教の諸派の立場を述べたもの、(4)密教の諸派の立場だけを述べたもの、の四種類が知られている。本研究会ではインド部門で重点的に取り扱うハリバドラの『六派哲学集成』との対比の上で(2)の文献を中心に解明していきたいと思っている。夥しい数の文献が存在するが、その紹介は指数が許さないため参考文献表の拙稿に譲る。中でもいろいろな意味で特に興味深い14世紀のウパロサルの宗義書は次のような章構成になっている。

 1) 要約,
 2) 中程度の要約,
 3) 順世外道 (Lokayata / 'Jig rten rgyao phan pa),
 4) 数論派 (SaaMkhya / Grangs can pa),
 5) シヴァ派 (Zaiva / dBang phyug pa),
 6) ヴィシュヌ派 (VaiSNava / Khyab 'jug pa),
 7) ジャイナ (Digambara / gCer bu pa),
 8) 十八部派 (sDe pa bco brgyad),
 9) 毘婆沙師 (VaibhaaSika / Bye brag tu smra ba),
10) 経量部 (Sautraantika / mDo sde pa),
11) 瑜伽行唯識学派 (Yogaacaara-VijJaanavaadin / Sems tsam pa),
12) 中観派 (Maadhyamika / dBu ma pa), fol. 96a5-113a3,
13) 道 (lam) と果 ('bras bu).  

 その他の類似の宗義書との対比の上で、仏教章ばかりでなく外教章の解明にも重点的に力を注ぎたい。成果刊行のモデルとしては参考文献e) に挙げたようなものを考えている。

[参考文献]
 a) Blo gsal grub mtha', chapitres IX (VaibhaaSika) et XI (Yogaacaara) edite, et chapitre XII (Maadhyamika) edite et traduit, Zinbun Kagaku Kenkyusho, Kyoto University, Kyoto, 1982.
 b) 「Blo gsal grub mtha' について」,『密教学』第15号, 1978, pp. 95−111.  
 c) 「チベットにおける宗義文献(学説綱要書)の問題」,『東洋学術研究』第 21巻第2号, 1982, pp. 179−192.
 d) 「チベット大蔵経と蔵外文献」,『「古典学の再構築」第I期研究成果報告』,2001, pp. 50-55.
 e) K. Mimaki et A. Akamatsu, La philosophie des Zaiva vue par un auteur tibetain du 14e siecle, Melanges chinois et bouddhique, volume d'hommage offert au Prof. R.A. Stein, Bruxelles, 1985, pp.746-772.

●オンライン共同研究システム構築に向けて

    山田 篤 (京都高等技術研究所情報メディア研究室長)


  オンライン共同研究システムに関する検討を行うにあたり、まず既存の代表的なオンラインシステムを概観する。

(1) ウェブページ

元々静的なもので、一方的な情報の提供、公開に適する。更新は管理者によって行われる。

(2) 電子mail

送信者から受信者への情報発信であるが、「返信」を相互に繰り返すことにより双方向のやり取りを実現する。その際に相手の発言を「引用」することができる。基本的に非同期なため、相手がいつ読むかはわからない。この受信者を複数にしたものがmailing listである。また、mailing listを用いてリアルタイムにやり取りすることにより、擬似的に会議を実現することもできる。

(3) 掲示板

参加者による発言の書き込みが非同期に行われる。関連する書き込みはスレッドを形成する。これは多くの場合、木構造となる。

(4) チャット

リアルタイムに発言を書き込む。発言は時間順に並ぶのみで、相互の関係に基づく構造化はなされない。
これらは、誰が(情報の発信者)、いつ(時間的制約)、どこで(空間的制約)、誰に対して(情報の受信者)、何を(発信内容)伝えたいかによって、その得失を判断すべきである。たとえば、ネットワークを使えば、空間的な制約からはある程度開放される。また非同期方式にすれば時間的な制約からも解放されうるだろう。

 オンラインでの議論のプロセスでは、対象の確定と情報の取得、意見の交換、結果の公開というサイクルを繰り返すことが重要であると考えられる。前回紹介したシステムでは、議論する対象としては、電子的なドラフト(原本)を予め準備し、参加者がドラフトの各パートにコメント(訳注等)をつけていくことで意見交換を行うというものであった。参加者はドラフトと、その時点でつけられているコメントを閲覧することができる。

 このとき、原本となるテキストを電子化するにあたり、どのように構造化するかという問題がある。大別して記述内容の論理構造(言語的な単位)をもとにする方法と底本とした文献の構造(ページ割付等)による方法がある。こうして構造化された単位毎にコメントをつけていくことになる。ある単位に含まれる語句等、この単位より更に細かな対象を指定する場合は、XPointerで採用されているようなロケーションモデルが必要になる。またその指定方法も、伝統的な出版物で多く採用されているような一点指定方式と、ウェブドキュメントのリンクのように範囲を指定する方式がある。

 さらに、ドラフトのあるパートに不与されたコメントは時間順に表示されればよいのか、コメントに対するコメントといったコメント相互の関連を示す必要があるのか、一旦不与されたコメントを修正することは許されるかといった点を明らかにした上でシステム設計を行う必要がある。

                                                      (以上)

●ハリバドラ作『シャッド・ダルシャナ・サムッチャヤ』について

−インドにおけるDoxography史の観点から−

   赤松明彦 (京都大学大学院文学研究科・教授)


1.はじめに
 
 VAADA研究会では、メーリングリストとWebを利用したオンライン研究会の構築を目指しています。インド学のような文献学を基礎にした研究分野での共同研究においては、テーマを立てた研究発表のほかに、テキスト研究を中心にした「読書会」形式の共同研究を実施することが必要です。しかしその一方で、テキスト研究は強靭な忍耐と精緻な考察が必要とされる極めて個人的な営みでもあります。個人研究と共同研究を「文献学」においていかにして実現するか。これが、われわれの研究会の課題でもあるのですが、それを実現する方法として、われわれはオンライン研究会の構築を模索し始めました。課題となっているテキストについて、メンバーは各自、本文を校訂したり、翻訳読解したり、注記を行ったりします。これは個人が机の上で通常行っている作業です。この作業にパーソナル・コンピュータを利用することは、もはやどのような学問分野でもほとんど常識的なことでしょう。個人研究の場合ならその成果は完成体の論文となって雑誌に発表されことになりますが、ここでは、そのような作業過程そのものを共同討議・研究の場へとそのままオープンにすること、そして様々な議論を経た上の共同研究の成果を、研究者ならだれもが共有できる基礎的情報(データベース)として公開することを目指しています。

 このような共同研究形態をとろうとする場合、研究対象としてどのようなテキストを選ぶかは重要な課題となります。専門性が高い特殊な文献は、個人研究者の能力と専門的知識に負うところが大きいでしょうから選ぶことは出来ません。そこでわれわれは、通常は「綱要書」として位置づけられるテキストを選ぶことにしました。インドには、諸々の哲学的伝統(学派)の教説について、「教理誌」(Doxography)的に叙述する伝統があります。そこでは、個人の思想が哲学的教説としてどのように歴史的に展開し、受け継がれ、批判されたかといった観点や、具体的人物の生涯あるいは作品などを概観することに対する関心は、全く欠如しています。個人ではなく学派の教説が主題となり、それらが時に歴史性を無視して提示されます。そして各学派の教説を相互連関的に叙述することに特に重大な関心が払われます。このような性格のテキストを真に読解しようとするならば、様々な関心領域と専門性をもつ多くの研究者の協力が必要不可欠です。単独ではおそらくこのようなテキストを完全に読解することは不可能でしょう。これを研究対象とすることは、われわれのVAADA研究会にうってつけのものです。そこで、研究対象となるテキストとして、8〜9世紀に活躍したジャイナ教の大思想家ハリバドラ(Haribhadrasuuri)が作った『六つの見解の集成』(Saddarzanasamucchaya)と、その注釈書である14世紀グナラトナ(GuNaratna)の『論理の秘密の解明』(Tarkarahasyadiipikaa)を選定しました。ハリバドラのこの作品は、「教理誌」の中で最も古いものと考えられています。

2.ハリバドラと『六つの見解の集成』について

 ハリバドラは、ジャイナ教白衣派に属する8〜9世紀に活躍した思想家・詩人・論争家です。ジャイナ教の伝統では、その生涯において1400もの著作を残したと伝説的に語られています。ハリバドラという名の思想家が果たしてひとりであったのか、あるいは複数いたのかは研究の上では問題になるところですが、ハリバドラに帰せられるテキストで現存するものだけでも90近くあるということです。(ハリバドラについては、次の二つの論文があります。

1) Olle Qvarnstrom: Haribhadra and the Beginnings of Doxography in India, in N.K. Wagle and Olle Qvarnstrom, Approaches to Jaina Studies: Philosophy, Logic, Rituals and Symbols, pp.169--210, Toronto 1999.
2) Phyllis Granoff: Jain Lives of Haribhadra: An Inquiry into the Sources and Logic of the Legends, Journal of Indian Philosophy 17, pp.105--128, 1989.)

 ハリバドラの主著としては、『多面的見解の勝利の旗』(Anekaantajayapataakaa)を挙げることができます。「多面的見解」(anekaanta-vada)とは、ジャイナ教の哲学の中心にある考え方です。「一方的な理論を立てず、自派、他派を問わず、あらゆる観点を等しく認めて偏見をもたない」という彼らの思想的態度を表しています。ハリバドラ自身は、これを、saMhaara-vaada(融合論)とか saM-kiirNa-vaada(混合論)と言い換えていますが、それは相対立する哲学的諸見解を統合しようとする立場であるということができます。このことは、単に彼らが相対論に立っていたということだけを意味するものではありません。彼らの主張の形式が「AはBである」というカテゴリアルな命題、つまりドグマの提示ではなく、「もしpという観点から見るならば、AはBである」というコンディショナルな命題の形をとるということを意味しています。ジャイナ教の術語で言えば、Syaad-vada です。この立場は、ジャイナ教では認識論においても論理学においても貫かれますから、仏教も含めて他学派が常に本質論的な議論をするのと異なり、独自の考え方を展開することになりました。とりわけ論理学においては、(存在論的な必然性の問題ではなく)命題の理論としてそれを取り扱うという可能性をインド論理学史上に開いたものとして高く評価しなければならないと思います。われわれの研究会が研究対象とする『六つの見解の集成』もまた、そのような立場から当時の哲学諸学派の教説を概観しようとしたテキストということができます。

3.『六つの見解の集成』の内容−『全哲学綱要』との比較

 『六つの見解の集成』は、次のような構成になっています。

    (1) 序論と仏教学説の章、
    (2)ニヤーヤ学説の章、
    (3) サーンキヤ学説の章、
    (4) ジャイナ学説の章、
    (5) ヴァイシェーシカ学説の章、
    (6) ミーマーンサー学説の章、
    (7) ローカーヤタ学説の章。

「六つの見解」といいながら七学説によって構成されているのは奇妙ですが、帰敬の詩節に続く冒頭の詩節では、ローカーヤタを除いた六つを数えています。ハリバドラは、各学派が信仰の対象としている「神格」(devata)の区別に基づいて、学派を区別したと言っていますから、無神論のローカーヤタは別扱いになっているのだと思われます。

 いま、この構成を、同じくインドの哲学綱要書として有名な『全哲学綱要』(Sarvadar?anasaograha)と比較してみます。『全哲学綱要』は、ヴェーダーンタ学派不二一元論派の14世紀の思想家マーダヴァ(Madhava)が著したものです。その構成は、

    (1) チャールヴァーカ説(=ローカーヤタ説、唯物論)、
    (2) 仏教説、
    (3) ジャイナ教説、
    (4) ラーマーヌジャ説、
    (5) マドヴァ説、
    (6) ナクリーシャのパーシュパタ派説、
    (7) 南インドのシヴァ教説、
    (8) カシミールのシヴァ派説、
    (9) 水銀派説、
    (10) ヴァイシェーシカ説、
    (11) ニヤーヤ説、
    (12) ミーマーンサー説、
    (13) 文法学派説、
    (14) サーンキヤ説、
    (15) ヨーガ説、
    (16) 不二一元論ヴェーダーンタ説、

となっています。

 両者の構成を比較して気がつくのは、後者が自派を最後におくのに、前者はそうではなくローカーヤタ学説を最後におくこと。また、前者では、ヴェーダーンタ学説が独立した学説として論じられないということです。実を言いますと、インド文献史の中で、「教理誌」(Doxography)というジャンル名で取り上げることのできるテキストのほとんどは、ジャイナ教かヴェーダーンタ学派のいずれかの学派の内部で作られた「綱要書」です。そして、上にあげた特徴は、それぞれの学派の「綱要書」のほぼ全てのテキストに当てはまるものです。それぞれは、ともに包括論的にすべての学説・教説を含みこもうとするものですが、ヴェーダーンタ学派の方は、自派の不二一元論を最高の到達点において、他の教説をそこに至る通過点のように扱う<垂直的視線>をもつのに対して、ジャイナ教の方は、すべての見解を平等に<水平的視線>で捉えていると一般的に言われています。しかし、ジャイナ教のテキストが、なぜヴェーダーンタ学派を独立した学説として扱っていないのかについては疑問が残ります。この点については、グナラトナの註釈も含めて今後読み進めていく中で、ヴェーダーンタ思想がどのような形で言及されるか、あるいは言及されないのか−「神格」を問題にする限り、「ブラフマン」に言及しないわけにはいかないとおもいますが−を注意深く見ることによって、明らかにしていきたいとおもいます。

前年度の活動報告


 前年度の予算執行状況に関して簡単ではありますが、以下にご報告いたします。予算にて多くの貴重な資料をはじめ、有益な機器等の購入いたしましたので、是非ご活用ください。

 1. ケンブリッジ大学所蔵の仏教写本コレクションのマイクロフィルム、全80リールと、ペンシルバニア大学所蔵インド学写本コレクション(マイクロフィッシュ)を購入いたしました。この内、ケンブリッジ大学所蔵の仏教写本に関しましては、全てCD-Rom に焼き、使用し易くなっております。また、これらは全て書庫よりVAADA研究会リーダー赤松教授の部屋へ移して保管しておりますので、閲覧を希望の方は直接研究会へご連絡ください。

 2. デジタルマイクロリーダー・プリンターを購入し、COE研究会全体の共同利用に供与いたしました。設置場所は京都大学文学部東館四階・COE研究会補佐員室となっております。このマイクロリーダー・プリンターによって、マイクロフィルム・フィッシュをCD-Romに焼き付けることが可能となりました。さらに、ご自身のノートパソコンをご持参下されば、直接ノートパソコンにマイクロフィルム・フィッシュのデータを取り込むことも可能です。このように、普通のマイクロリーダー・プリンターよりも非常に活用範囲が広くなっております。本研究会に参加されている皆様には、自由に利用して頂けますので、是非ご活用ください。学外から研究会に参加されている方でこの機械の使用を希望される方は、お手数ですが補佐員(赤羽)までご連絡下さい。使用方法等を説明させて頂きます。

 3. 本研究会の横地先生(京都大学大学院文学研究科・助教授)が3月15日から31日まで約二週間、グローニンゲンへ出張されました。

本年度の活動予定・連絡事項


 1. ペンシルバニア大学のHarunaga Isaacson 博士が、21世紀COEプログラムVAADA研究会の招聘により、京都大学に来校されます。同博士を中心にして、5月16日、23日、30日、6月6日、13日の毎週金曜日、14時から17時に文学部東館四階COE研究室にて共同研究会(読書会)を行う予定になっております。テキストはJayanta Bhatta のAgamadambaraを読む事にしております。既に別紙にてご連絡いたしましたように、参加をご希望の方は本研究会までご連絡ください。同博士の滞在期間は5月15日から6月16日となっております。

 2. ウィーン科学アカデミーのHelmut Krasser博士が、日本学術振興会の招聘外国人共同研究者として来日(滞在期間:5月2日〜7月9日)されております。同博士はVAADA研究会のメンバーでもあり、研究会にも参加していただく予定になっております。

 3. 国際研究集会を6月7日(土)の午後に開催する予定にしております。詳細は決定次第改めてご案内いたしますが、同研究集会において、Isaacson博士とKrasser博士の講演会を行った後に、学派の形成と<異>意識をめぐる問題をテーマにディスカッションを行う予定にしております。

 4. 本年度も、研究会のメンバーの皆様で遠方から研究会・読書会・講演会などに出席を希望される方々には、出張旅費を出させていただくことにしておりますが、予算の執行が遅れており、出張旅費の会計上の処理は7月以降にずれ込むこととなります。ご迷惑お掛けいたしますが、ご了解の程宜しくお願い致します。

 5. 前回の研究会においてアナウンスいたしました各種関連テキストに関しましては、現在製本を業者にお願いしているところです。5月の下旬には配付することが可能であると思いますので、ご了解ください。

 6. オンライン研究会につきましては、徳永教授の超人的な作業により、先生の担当箇所であります序章部分が公開されつつあります。現在、オンライン研究会のシステム構築に関しましては、このNewsletterにも報告書を寄せていただいた山田篤さんのお骨折りで、システムの整備が行われておりますので、今しばらくお待ちくださるよう宜しくお願い致します。

 7. 本年度の予算執行としましては、招聘教授の滞在費・講演会開催経費・本研究会に関係して留学を予定している学生さんへの研究費の補助・関係テキストの複写製本費などを中心に予定しております。

編集後記


 まず初めに、第一回の研究会開催後、この第二号のNewsletter発刊に至るまで時間がかかりました点をお詫びいたします。この間、年度末の会計処理やIsaacson博士の招聘準備、新学期の開始など慌しいことが続き、Newsletterの作成が後回しになってしまいました。報告書を寄せてくださった先生方も新年度を迎え、各講義・講読が本格的に始まるなど、お忙しい中無理を申し上げ寄稿して頂き、改めて感謝申し上げます。 

 この5月で、研究会発足から早や半年を過ぎたことになります。この六ヶ月、事務的な作業で慣れないことも多く、皆様には色々とご迷惑をお掛けしましたが、四月よりインド三学の学生さん達も参加してのテキスト講読も始まり、少しずつではありますがようやく研究会が軌道に乗り始めてきたという実感が感じられる今日この頃です。本年度は、海外より多くの著名な先生方が来校され、VAADA研究会に参加していただくことになっております。講演会・研究会など、随時連絡させて頂きますので、今後とも、本研究会へのご参加・ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。

 また、研究会へのご質問・ご要望等ございましたら、下記のメールアドレスまでご連絡ください。

      VAADA 事務局 (担当:赤羽 律)
〒606-8501 京都市左京区吉田本町
            京都大学文学部  インド学・仏教学研究室 
                                           TEL: 075-753-2756
E-mail: vaada-hmn@bun.kyoto-u.ac.jp
Webpage: https://www.bun.kyoto-u.ac.jp/archive/jp/projects/projects_completed/hmn/vaada/