古代世界における学派・宗派の成立と<異>意識の形成 VAADA

Virtual Ancient Arguments on Difference and Affinity

VAADAトップページ 趣旨と目的 メンバー 研究会のご案内 Newsletter COE トップページ

実施された研究会


2003年4月より本格的な活動を開始した第33研究班(通称VAADA)は、全部で18回に及んだアショク・アクルジュカル教授の研究会をはじめとして、ハルナガ・アイザクソン博士を迎えての5回の読書会など、合計でのべ42回にわたる研究会(ゼミナール)および講演会を開催し、若手の研究者、大学院生を中心にのべ人数で300人を上回る参加者を得て、2006年3月をもって終了しました。この間実施された研究会、講演会は以下の通りです。この間、積極的に参加してくださった皆様に、心から感謝いたします。

赤松 明彦(VAADA研究会リーダー)

===================================

第13回VAADA研究会終了のお知らせ

2005年12月11日(日)にウィーン大学より室屋安孝氏、ライデンのアジア学国際研究所より張本研吾氏をそれぞれお招きして講演会を開催いたしました。

  • 日時:2005年12月11日(日) 10時 〜 13時、14時 〜 17時
  • 場所:京都大学文学部東館4階COE会議室
  • 題目:写本研究の現在: ニヤーヤ・バーシュヤとパータンジャラ・ヨーガ・シャーストラ・ヴィヴァラナ
  • 講演者:室屋安孝博士(ウィーン大学)、張本研吾博士(ライデン・アジア学国際研究所)
  • ウィーンとライデンで研究を続けている二人の若手研究者室屋安孝氏と張本研吾氏を迎えて、古典期におけるインド哲学のテキストである『ニヤーヤ・バーシュヤ』と『パータンジャラ・ヨーガ・シャーストラ・ヴィヴァラナ』について、写本の校訂作業を通じて見えてくる当時の思想状況について発表していただきました。テキストの成立という観点から、学派の形成過程について分かりやすく解説していただき、学生たちも非常に啓発されました。

    ===================================

    第12回VAADA研究会終了のお知らせ

    2005年10月13日(木)にDiwakar Acharya博士講演会が以下の通り開催されました。

  • 日時:2005年10月13日(木) 13時半 〜 17時
  • 場所:京都大学文学部東館4階COE会議室
  • 題目:An Edition and Translation of the TattvasamiikSaa
  • 講演者:Diwakar Acharya 博士(ハンブルク大学)
  • 今回の講演ではVaacaspatiiのTattvasamiikSaaについての最新の研究報告を発表していただくと同時に、ブラフマン認識の段階、解脱などに関するVaacaspatiiとMaNDanaの見解の相違点について初学者にも分かりやすく解説していただきました。ご参加いただきました方々並びにDiwakar Acharya博士に厚くお礼申し上げます。

    ===================================

    第11回VAADA研究会終了のお知らせ

    京都大学大学院文学研究科COEプログラム、第31研究会「ユーラシア古語文献の文献学的研究」班との共同開催で以下の通り、研究会が開催されました。

  • 日時:2005年9月30日(金) 13時 〜 14時半
  • 場所:京都大学文学部第6講義室
  • 題目:An Indo-European Custom of Sacrifice
  • 講演者:Norbert Oettinger教授(エアランゲン−ニュルンベルク大学)
  • =================================

    第10回VAADA研究会・A. Parpola博士講演会終了のお知らせ

    2005年6月1日(水)にA. Parpola教授講演会が以下の通り開催されました。

  • 日時:2005年6月1日(水) 14時 〜 17時
  • 場所:京都大学文学部東館4階、COE研究室
  • 題目:インダス文明に見る<異>文化接触
  • 講演者:A. Parpola 教授(ヘルシンキ大学)
  • インダス文字・インダス文明研究の世界的研究者であるA.Parpola教授をお招きして、インダス文字の解読とインダス文明研究の現在について、100枚近いスライドを使って初学者にも分かり易い講演をしていただきました。インダス文字・文明研究の最新の情報を聞くことができ、今回の講演はまたとない貴重なものとなりました。ご参加いただきました方々並びにA.Parpola教授に厚くお礼申し上げます。

    =================================

    第9回VAADA研究会・赤松明彦教授並びにA. Parpola博士講演会(第54回羽田記念館定例講演会)終了のお知らせ

    2005年6月4日(土)に赤松明彦教授並びにA. Parpola教授講演会が以下の通り開催されました。

  • 日時:2005年6月4日(土) 14時 〜 18時
  • 場所:ユーラシア文化研究センター(羽田記念館)
  • 題目:「カローシュティー木簡に見る法と習慣」
  • 講演者:赤松明彦教授(京都大学)
  • 題目:The Pravargya rite of the Veda and the Gandhara Grave culture(1600-900 BCE)" (「ヴェーダのプラヴァルギヤ祭式とガンダーラ墓葬文化」)
  • 講演者:A. Parpola 教授(ヘルシンキ大学)
  • 今回の講演会は 21世紀COEプログラム「ユーラシア古語文献の文献学的研究」研究班(第31班)との共催で行われました。お忙しい中遠方より多数のご参加をいただきました。この場を借りて厚くお礼申し上げます。

    =================================

    第8回VAADA研究会・A. Sanderson博士講演会終了のお知らせ

    2004年12月10日(金)にA. Sanderson教授講演会が以下の通り開催されました。

  • 日時:2004年12月10日(金) 14時 〜 17時
  • 場所:京都大学文学部東館4階・COE研究室
  • 題目:An Introduction to Saivism(シヴァ派研究入門)
  • 講演者:A. Sanderson 教授(オックスフォード大学)
  • 今回、国際的にシヴァ派研究の第一人者であるサンダーソン博士に講義・講読をして いただく機会がえられたのは、またとない幸運でした。サンダーソン博士には、An Introduction of "Saivism という題で講演をしていただきました。`Introduction'とはいえ、博士の研究は、多くの未出版のテ キストについての写本に基づくものであり、その写本の中には近年初めて存在が知られるようになったものも多く含まれており、従来のシヴァ派、特にタントラ的シヴァ派に対する理解をくつがえし、より包括的な理解をうながすものであります。シヴァ派内のさまざまなグループと彼らの社会的立場の 差異、社会、特に王権、との関わりについて、主として話をしていただきました。講義のあ と、休憩をはさんで、講義の内容に関して、参加者との活発な質疑応答が行われました。最後に、カシュミールのシヴァ派の代表的論者の一人であるK.semaraajaの Pratyabhij~naah.rdayaの最初の部分の講読をしていただき、大変有意義なものとなりました。お忙しい中、ご参加いただいた方々にお礼申し上げます。


    =================================

    第7回VAADA研究会・Birgit Kellner博士研究会、及び講演会終了のお知らせ

    2004年8月23日(月)に開催されたBirgit Kellner博士の講演会には、夏期休暇中にもかかわらず、40名以上の方々のご参加をいただきました。お忙しい中ご出席くださった方々に、改めてお礼申し上げます。また、講演会終了後に行われました研究会においても、いくつもの興味深い質疑応答が行われ、大変有意義なものとなりました。さらに、翌24日(火)から28日(土)にわたって開催された研究会には、広島、東京、筑波などから若手の研究者の方々に多数出席いただいたうえ、毎回、出席者の方に英語での発表をしていただき、こちらも大いに実りあるものとなりました。講演会の題目、および各回の読解箇所・発表者などにつきましては、下をご覧下さい。


    Birgit Kellner博士講演会

  • 題目「Dignaaga's and Dharmakiirti's exposition of Pramaa.na and Pramaa.naphala」

  • 日時:2004年8月23日(月)14時〜16時

  • 場所:京都大学文学部新館第1講義室


  • Birgit Kellner博士には上掲の題目にてダルマキールティにおける「認識」と「認識結果」の議論を題材に、ダルマキールティの経量部から唯識への転換点(自己認識理論の問題も含む)を論じていただきました。Kellner博士の発表要旨に関しましてはNewsletter No.7に掲載しておりますので、そちらをご覧ください。


    さらに同日(23日)、講演会終了後、文学部新館第1講義室にて研究会を行いました。


    また、23日に引き続き24日(火)から28日(土)まで連続研究会を開催しました。

  • 日時:2004年8月24日(火)から28日(土)まで毎日14時〜19時

  • 場所:京都大学文学部新館2階第3演習室

  • =================================

    第6回研究会終了のお知らせ

    本研究会所属の若手研究者・大学院生の発表を中心とした研究会を以下の日時に開催いたしました。

    日時:2004年6月28日(月):12時30分〜14時30分
    場所:インド哲学史・仏教学共同研究室
    発表者:

  • 大観慈聖(仏教学・博士課程):「インド後期密教文献にみる四大学派(顕教)と真言理趣(密教)」

  • 八木綾子(サンスクリット文学・博士課程):「再生に到る成就者についての引用句について」

  • 津田明雅(仏教学・博士課程修了):「Vaidalyaprakara.naにおける「自相続転変差別」について」

  • 志賀浄邦(日本学術振興会特別研究員):「推理論をめぐる仏教徒とジャイナ教徒の対論―因果関係の確定方法とタルカの関係性―」

  • 赤羽律(VAADA研究会教務補佐員):「『次第入修習義』に示される頓門派についての一考察」
  • 本研究会には、十数名の院生・若手研究者が参加し、各発表に対して多くの質問・意見が出され、大変活発かつ有益な研究会となりました。議論が盛り上がったために、予定しておりました五つの発表のうち、補佐員・赤羽の発表は時間がなく割愛せざるを得なくなりました。また、日本学術振興会特別研究員の志賀浄邦さんの発表も一部短縮する形で行われることになってしまい、大変ご迷惑をお掛けしました。


    本研究会の発表要旨のうち、津田さんと志賀さんの要旨につきましては、Newsletter No.5に、また、大観さんの要旨につきましては Newsletter No.6に掲載しておりますので、そちらをご覧下さい。

    =================================

    第5回研究会: Wezler 教授共同研究会終了のお知らせ

    2004年4月3日(土)より4月28日(水)まで五回にわたり、インド学において世界屈指の研究者の一人で、現在、京都大学文学部客員教授として京都に滞在中のAlbrecht Wezler 教授(ハンブルク大学)を中心に、Wezler教授共同研究会を開催いたしました。この研究会においては、カーリダーサ作『メーガドゥータ』をヴァッラバデーヴァ注とともに読解しました。新学期が始まりお忙しい中にもかかわらず、遠方より多くの方々にご参加頂き大変有意義なものとなりました。Wezler教授をはじめ、参加してくださった方々に改めてお礼申し上げます。


    =================================

    特別講演が以下の通り開催されました。

    客員教授として滞在中の A. Wezler教授と A. Aklujkar 教授の両先生の特別講演が、2004年3月26日(金曜日)に開催され、多くの方々にご参加いただきました。講演のタイトル・演目などは以下の通りでした。

    特別講演インド古典の楽しみ

  • 京都大学大学院文学研究科客員教授(インド哲学史)

  •  アルブレヒト・ヴェツラー教授(ハンブルク大学)
     「文学装置としての内的独白」
     Interior monologue as a literary device


  • 京都大学大学院文学研究科客員教授(サンスクリット文学)

  •  アショク・アクルチカル教授(ブリティッシュ・コロンビア大学)
     「再生と詩」
     Rebirth and poetry


    総合司会:徳永宗雄教授(京都大学大学院文学研究科・サンスクリット文学)

    日時:2004年年3月26日(金曜日)午後3時〜午後5時
    場所:京都大学文学部新館・第3講義室

    =================================

    第4回研究会終了

    第4回VAADA研究会: Ashok Aklujkar 教授共同研究会(終了)

    インド古典の中でも最重要でかつ超難解をもって知られるバルトリハリの『ヴァーキヤ・パディーヤ』第2章「ヴァーキヤ・カーンダ」について、今日のインド古典学者の中でも屈指のアクルチカル教授が、哲学、思想史、文献学、写本学などさまざまな観点から論じ、また参加者とともに昨年10月から毎週土曜日に議論を行ってきました。そのAklujkar 教授共同研究会も、3月20日をもって終了いたしました。毎回、各地から多くの研究者の方々にご参加頂き、大変有意義なものとなりました。アクルチカル教授はじめ、ご参加頂いた方々に改めてお礼申し上げます。



    =================================


    前回(第3回)のVAADA研究会 は、ペンシルバニア大学の アイザクソン博士による読書会(英語使用)でした。 10世紀のはじめ頃活躍した哲学者ジャヤンタの作った古典インド哲学劇『アーガ マ・ダンバラ』(「諸説紛紛」とでも訳しましょうか)を、次のようなスケジュール で読みました。

    VAADA研究会・第1回国際研究集会が以下の通り開催されました。