特殊講義 | 氣多雅子 | 前期火4 | 京都学派の哲学における神秘主義研究について | [授業の概要・目的]京都学派の哲学思想において、神秘主義の研究がどのような位置を占め、どのような意義をもっているかを明らかにしたい。
[授業計画と内容]およそ次のようなスケジュールで進める予定であるが、研究のなまの成果を伝えることを主眼とするので、スケジュール通りにいかないこともありうる。 |
特殊講義 | 氣多雅子 | 後期火4 | 西田幾多郎の後期哲学思想 | [授業の概要・目的]西田幾多郎の後期哲学思想において、歴史的世界の問題がどのように探求されているかを、理解する。西田の思想の宗教哲学的意義を考察することが最終的な目的である。
[授業計画と内容]およそ以下のようなスケジュールで進める予定であるが、研究のなまの成果を伝えることを主眼とするので、スケジュール通りにゆかないこともありうる。 |
特殊講義 | 芦名定道 | 前期水2 | キリスト教思想研究入門A | [授業の概要・目的]この特殊講義は、すでに系共通科目「キリスト教学講義」を受講し、キリスト教思想研究に関心のある学部生、あるいはキリスト教研究の基礎の習得をめざす大学院生を対象に行われる。キリスト教思想研究を目指す際に身につけておくべき事柄について、またいかなるテーマをどのように取り上げるのかについて、解説 を行う。
[授業計画と内容] 本年度前期のテーマは、「現代キリスト教思想史──弁証法神学から1960年代」である。初回のオ |
特殊講義 | 芦名定道 | 後期水2 | キリスト教思想研究入門B | [授業の概要・目的]この特殊講義は、すでに系共通科目「キリスト教学講義」を受講し、キリスト教思想研究に関心のある学部生、あるいはキリスト教研究の基礎の習得をめざす大 学院生を対象に行われる。キリスト教思想研究を目指す際に身につけておくべき事柄について、またいかなるテーマをどのように取り上げるのかについて、解説 を行う。
[授業計画と内容]本年度後期のテーマは、「ポストモダン(1970年代以降)のキリスト教思想」である。初回のオリ |
特殊講義 | 杉村靖彦 | 前期水4 | 〈われわれ〉の悪 | [授業の概要・目的]悪の問いは、哲学的思索にとっても、宗教的信仰にとっても、御し難い躓きの石であるとともに、かえってそれゆえにこれらを突き動かす源泉となってきた。そのような見地から、昨年度は悪の問いの思想史を通覧したが、本年度は、その際に十分に扱えなかった人間の集団性・共同性にまつわる悪について、その思想的系譜をたどっていく。 その際に手掛かりになるのが、「われわれ」というあり方である。「われわれ」は集団の結束の表現であると同時に、他者排除の原理ともなりうる。この両義性とそこに内属する固有の悪に迫る思索を哲学・思想史の内に求め、それらを紹介しながらこの問題を考えていきたい。[授業計画と内容]1. 悪の問いと<われわれ>という次元:問題の提示と説明【2回】 2.「根元悪」の間主観的展開(カント、ナベール)【3回】 3.「承認の欲望」とその影(ヘーゲル、コジェーヴ、ジラール、テイラー)【3回】 4.「集合表象」と「閉じた社会」(デュルケム、ベルクソン) 【3回】 5.「私たち」の閉塞とそれを超えるもの(ヴェイユ、レヴィナス、リクール)【3回】 7. 総括 【1回】 なお、最後の授業は、本学期の講義内容全体をめぐる質疑応答と議論の場とし、講義内容の受講者へのフィードバックを図る。
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特殊講義 | 杉村靖彦 | 後期水4 | 田辺哲学研究 | [授業の概要・目的]田辺元の哲学的思索は、その異様なまでの凝縮度と彼固有の論理への偏愛によって異彩を放っている。田辺は西洋哲学の最前線の動向、諸学問の最新の成果を飽くことなく摂取し、歴史的現実にもそのつど敏感に反応しつつ、それら全てに自前の思索によって緊密な総合を与えるべく、生涯血の滲むような努力を続けた。彼の濃密にすぎる文章はそのようにして生み出されたものである。この凝縮体を丁寧に解きほぐし、そこに封じ込められたさまざまな展開可能性を切り出すことによって、今日のわれわれがリアルな接触をもちうるような形で語り直すこと。それが本講義の狙いとするところである。本年度は、1934年に始まる「種の論理」を扱い、同時期のヨーロッパと日本の思想動向や時代状況と連動させながら、その生成・変遷過程を辿っていく。
[授業計画と内容] ① 西田哲学との相互批判・相互影響、および他の日本の哲学者たちとの関係 なお、最後の授業は、本学期の講義内容全体をめぐる質疑応答と議論の場とし、講義内容の受講者へのフィードバックを図る。 |
特殊講義 | 岩田文昭 |
前期月5 |
浄土教の宗教哲学 | [授業の概要・目的]この講義の目的は、浄土教について、哲学的思索を展開した思想家を取り上げ、宗教哲学のあり方を考察するものである。浄土教という個別の歴史宗教について哲学的考察することの意義を探求することで、現代における宗教哲学の意義の一端を明らかにしてゆく。 授業では、浄土教の展開という歴史的文脈を抑えながら、その中での思想家の思索の意義を闡明にする。[授業計画と内容]以下の各項目について講述する。各項目には、受講者の理解の程度を確認しながら、【 】で指示した週数を充てる。各項目の講義の順序は固定したものではなく、担当者の講義方針と受講者の背景や理解の状況に応じて、講義担当者が適切に決める。1.本講義の視座と問題意識【1週】 2.大乗仏教における浄土教思想【1週】 3.法然と親鸞の思想構造【2週】 4.清沢満之の宗教哲学【2週】 5.近角常観における浄土教と哲学【2週】 6.西田幾多郎と鈴木大拙における浄土教【2週】 7.武内義範の宗教哲学【2週】 8.三木清の宗教哲学【1週】 9.長谷正当の宗教哲学【1週】 10. 総括とまとめ【1週】 |
演習 | 安部浩 | 水2 | フッサール『論理学研究』第六研究を読む | [授業の概要・目的]19世紀から20世紀への変わり目に、大部の哲学の専門書が刊行された。何の変哲も無い表題にもかかわらず、その数々の斬新なる所説の故に、同書は忽ち、少なからぬ支持者ー「ミュンヘン現象学派」、シェーラー、ハイデガー等ーを贏ち得た。 この「現象学」宣言の書、『論理学研究』の掉尾を飾る第六研究を読み進めていくことで、われわれは、意識の志向性の構造分析や、明証と真理との相関関係、および感性的・範疇的直観の区別に関する考察に努めることにしよう。そしてそれにより、語学・哲学上の正確な知識、及び論理的思考力に基づく原典の厳密な読解力を各人が涵養すること、そしてこの読解の過程において浮上してくる重要な問題をめぐる参加者全員の討議を通して、各人が自らの思索を深化させていくことが、本演習の目的である。[授業計画と内容]原則的には毎回、予め指名した二名の方にそれぞれ、報告と演習の記録を担当して頂くことにする。それぞれの回には、次の箇所を読む予定である。以下、原書の節番号に続いて、教科書の頁番号を示す。 1. ガイダンス 2. §1~§4(544-552) 3.§5~§6(552-560) 4.§7~§8(560-570) 5.§9~§11(570-576) 6.§12~§13(576-586) 7.§14~§15(586-595) 8.§16~§19(596-604) 9.§20~§22 (604-610) 10.§23~§24(610-616) 11.§25~§27(616-624) 12. §28~§30(625-634) 13. §31~§35(635-644) 14. 総合討論 15. フィードバック (詳細については授業中に適宜指示する) |
演習 | 杉村靖彦 |
前期 水5 |
シモーヌ・ヴェイユ『自由と社会的抑圧』 を読む(1) | [授業の概要・目的]『自由と社会的抑圧』は、政治思想家・政治活動家としての前期ヴェイユの思索の集大成というべき論考であり、彼女が工場労働に身を投じる直前の1934年に書き上げられた。そこでは、師アランの影響下で、フランス反省哲学の伝統を取り込みながら先鋭化されていく独自の自由論と、マルクス主義批判を介して人類史全体を射程に入れた社会的抑圧論が、稀有な緊張をはらみつつ連関づけられている。この論考の直後からヴェイユは独特の宗教的・神秘的思索へと旋回していくが、彼女の宗教哲学をその本来の広がりにおいて理解するためには、この論考の理解が不可欠である。 この授業では、邦訳も用いながらこの論考の前半部を通読し、その統合的な理解を得ることを目指す。[授業計画と内容]第1回‐2回 導入 テクストを読み進める上で必要な予備知識の解説を行う。 第3回‐14回 「授業の概要と内容」に記した方針に基づいて、ヴェイユ『自由と社会的抑圧』の前半1、2章を読み進めていく。各章ごとに、まず日本語訳で全体の論旨を掴み、その後で重要箇所を抜粋してフランス語で読むというやり方をとる。 第15回 読み終えた箇所全体を振り返り、疑問点等について出席者全員で討議を行う。 |
演習 | 杉村靖彦 |
後期 水5 |
シモーヌ・ヴェイユ『自由と社会的抑圧』 を読む(2) | [授業の概要・目的]『自由と社会的抑圧』は、政治思想家・政治活動家としての前期ヴェイユの思索の集大成というべき論考であり、彼女が工場労働に身を投じる直前の1934年に書き上げられた。そこでは、師アランの影響下で、フランス反省哲学の伝統を取り込みながら先鋭化されていく独自の自由論と、マルクス主義批判を介して人類史全体を射程に入れた社会的抑圧論が、稀有な緊張をはらみつつ連関づけられている。この論考の直後からヴェイユは独特の宗教的・神秘的思索へと旋回していくが、彼女の宗教哲学をその本来の広がりにおいて理解するためには、この論考の理解が不可欠である。 この授業では、邦訳も用いながらこの論考の後半部を通読し、その統合的な理解を得ることを目指す。[授業計画と内容]第1回‐2回 導入 テクストを読み進める上で必要な予備知識の解説を行う。 第3回‐14回 「授業の概要と内容」に記した方針に基づいて、ヴェイユ『自由と社会的抑圧』の後半3、4章を読み進めていく。各章ごとに、まず日本語訳で全体の論旨を掴み、その後で重要箇所を抜粋してフランス語で読むというやり方をとる。 第15回 読み終えた箇所全体を振り返り、疑問点等について出席者全員で討議を行う。 |
演習Ⅱ | 氣多雅子 杉村靖彦 |
金4・5(隔週) | 宗教哲学 基礎演習 |
[授業の概要・目的]宗教哲学に関わる基本文献を教師とチューター役の大学院生の解説を手がかりに読み進めていくことで、概論と専門研究の橋渡しになるような知識と思考法の獲得を目指す。また、4回生以上の宗教学専修在籍者は、卒論執筆に向けた研究発表を行う。 宗教学専修の学部生を主たる対象とするが、哲学と宗教が触れ合う問題領域に関心をもつ2回生、および他専修学生の参加も歓迎する。[授業計画と内容]宗教哲学の基本文献といえる著作や論文を選んで各回の授業に割り振り、事前に出席者に読んできてもらう。そして、毎回教師とチューター役の大学院生の解説をもとに、質疑応答と議論を行っていく。また、卒論向けの発表の際には、論述の仕方や文献の扱い方なども指導し、論文の書き方を学ぶための機会とする。 隔週15回の授業計画の目安は以下の通りである。第1回 オリエンテーション 第2回-7回 宗教哲学の基本文献の読解・解説・考察 第8回 卒業論文の中間発表 第9回-14回 宗教哲学の基本文献の読解・解説・考察 第15回 総括 |
演習Ⅱ | 氣多雅子 杉村靖彦 |
金4・5(隔週) | 宗教学の諸問題 | [授業の概要・目的]演習参加者が、宗教学の諸問題のなかで各人の研究するテーマに即して発表を行い、その内容をめぐって、全員で討論する。討議のなかで、各人の研究を進展させることが目的である。
[授業計画と内容]参加者が順番に研究発表を行い、それについて全員で討論する。各人の発表は二回にわたって行う。即ち、発表者は1時間以内の発表を行い、続いてそれについて討論する。発表者はその討論をうけて自分の発表を再考し、次回にその再考の結果を発表して、それについてさらに踏み込んだ討論を行う。したがって、1回の授業は前半と後半に分かれ、前半は前回発表者の二回目の発表と討論、後半は新たな発表者の一回目の発表と討論となる。 |
講読 | 加藤希理子 |
木3 |
John Hick, ”Philosophy of Religion (4th Edition)” を読む | [授業の概要・目的]この授業では、John Hickの“Philosophy of Religion (4th Edition)”を精読する。「宗教の哲学」と題された本テキストでは、特定の宗教の立場を擁護するのではなく、そこから離れて「宗教を哲学的に思考する」ことに主眼が置かれ、哲学の一部門というスタンスが貫かれている。そこでは、神の存在証明や信仰と啓示など西洋の伝統的な議論が扱われるとともに、現代の動向を踏まえ、世俗化した時代において、宗教的信念を持つことの合理性や多数の宗教の伝統がいかにして相互に歩み寄っていくかという宗教多元主義についても扱われている。また、ヒンドゥー教や仏教といった非西洋の宗教思想にも言及がなされている。本書を精読することを通じて、研究文献の基本的な読解力や分析力を身につけるとともに、異他なるもの同士の対話についても考えていきたい。
[授業計画と内容]第1回 イントロダクション 第2回~第14回 テキストの精読 第15回 まとめ |
講義 | 氣多雅子 | 前期月5 | 宗教学A(講義) | [授業の概要・目的]宗教哲学がどのように成立し、どのような必然性をもって展開してきたかを明らかにする。それを通じて、宗教とはいかなる事象であるか、現代世界において宗教哲学はいかなる課題を担うか、ということについて理解することが、この授業の目的である。
[授業計画と内容]以下のような課題について授業をする予定である。 1.神話的思惟と哲学的思惟、2.ユダヤ教とキリスト教、3.キリスト教神学の成立、4.中世における神学と哲学、5.宗教改革、6.近世における宗教的状況の変容、7.近代科学の成立と哲学、8.理神論の登場、9.宗教哲学の成立(1)、10.宗教哲学の成立(2)、11.宗教哲学の展開、 12.宗教批判の進展とニヒリズム、13.否定性をはらんだ宗教哲学、14.日本の宗教哲学、15,現代の宗教哲学の諸問題。 |
講義 | 氣多雅子 | 後期月5 | 宗教学B(講義) | [授業の概要・目的]宗教哲学がどのように成立し、どのような必然性をもって展開してきたかを明らかにする。それを通じて、宗教とはいかなる事象であるか、現代世界において宗教哲学はいかなる課題を担うか、ということについて理解することが、この授業の目的である。
[授業計画と内容]以下のような課題について授業をする予定である。1.宗教という概念(概念の成立、多義性、変容)、2.「宗教学」の成立、3.宗教学の研究分野、4.宗教史の諸研究(1)、5.宗教史の諸研究(2)、6.宗教人類学の成果(1)、7.宗教人類学の成果(2)、8.宗教社会学の成果(1)、9.宗教社会学の成果(2)、10.宗教心理学の成果(1)、11.宗教心理学の成果(2)、12.宗教現象学の成果(1)、13.宗教現象学の成果(2)、14,日本の宗教と宗教研究の現状、15.現代の宗教学の課題 |