特殊講義 | 氣多雅子 | 前期火4 | 京都学派の宗教哲学 | [授業の概要・目的]
京都学派の哲学の展開のなかで、「宗教哲学」がどのような仕方で、どのようなものとして形成されてきたかということを明らかにするとともに、その「宗教哲学」の独自性を解明してみたい。 [授業計画と内容] およそ次のようなスケジュールで進める予定であるが、研究のなまの成果を伝えることを主眼とするので、スケジュール通りにいかないこともありうる。 (1)授業のテーマについて、(2)西田幾多郎の論理の追究、(3)西田幾多郎の宗教の思惟1、(4)西田幾多郎の宗教の思惟2、(5)西田幾多郎の宗教の思惟3、(6)鈴木大拙の大地の思想1、(7)鈴木大拙の大地の思想2、(8)西谷啓治の神秘主義研究、(9)西谷啓治のニヒリズム研究、(10)西谷啓治の禅思想研究、(11)京都学派の宗教哲学1、(12)京都学派の宗教哲学2、(13)京都学派の宗教哲学3、(14)宗教哲学の系譜のなかで、(15)まとめ |
特殊講義 | 氣多雅子 | 後期火4 | 宗教と非宗教の間 | [授業の概要・目的]
現代世界における宗教哲学の課題を宗教と非宗教との間で思惟することであると捉え、この課題がどのように追究され得るかを考察する。 [授業計画と内容] およそ以下のようなスケジュールで進める予定であるが、研究のなまの成果を伝えることを主眼とするので、スケジュール通りにゆかないこともありうる。 (1)授業のテーマについて、(2)現代の宗教的状況1、(3)現代の宗教的状況2、(4)宗教哲学の課題1、(5)宗教哲学の課題2、(6)これまでの宗教哲学の問題点、(7)京都学派の宗教哲学、(8)宗教と非宗教の間1、(9)宗教と非宗教の間2、(10)論理の力と表象の力1、(11)論理の力と表象の力2、(12)歴史と永遠1、(13)歴史と永遠2、(14)思惟の可能性、(15)まとめ |
特殊講義 | 芦名定道 | 前期水2 | キリスト教思想研究入門A | [授業の概要・目的]
この特殊講義は、すでに系共通科目「キリスト教学講義」を受講し、キリスト教思想研究に関心のある学部生、あるいはキリスト教研究の基礎の習得をめざす大学院生を対象に行われる。キリスト教思想研究を目指す際に身につけておくべき事柄について、またいかなるテーマをどのように取り上げるのかについて、解説 を行う。 [授業計画と内容] 本年度前期のテーマは、「新約聖書からキリスト教古代へ」である。初回のオリエンテーションに続いて、次のような項目について、講義が進められる。一回の講義で一つの項目が取り上げられる。 0.オリエンテーション フィードバックの具体的なやり方については授業にて説明を行う。 |
特殊講義 | 芦名定道 | 後期水2 | キリスト教思想研究入門B | [授業の概要・目的]
この特殊講義は、すでに系共通科目「キリスト教学講義」を受講し、キリスト教思想研究に関心のある学部生、あるいはキリスト教研究の基礎の習得をめざす大 学院生を対象に行われる。キリスト教思想研究を目指す際に身につけておくべき事柄について、またいかなるテーマをどのように取り上げるのかについて、解説 を行う。 [授業計画と内容] 本年度後期のテーマは、「中世キリスト教から宗教改革へ」である。初回のオリエンテーションに続いて、次のような項目について、講義が進められる。一回の講義で一つの項目 |
特殊講義 | 杉村靖彦 | 前期水4 | 問いとしての「死(者)」―現代思想における系譜と争点 | [授業の概要・目的]
「Memento mori(死を想え)」という言葉をもちだすまでもなく、死の問いは、古来哲学と宗教の双方にとっての根本問題であり、哲学的思索と宗教的信仰の真摯さを測る試金石でありつづけてきた。だが、20世紀以降のいわゆる現代思想においては、死の問いが従来の哲学や宗教の枠組を突き破るような剥き出しの形で浮上する一方で、この問い自体の輪郭が溶解し、問いの手がかり自体がつかみにくくなってきている。また、それと共に、「死者」の側からこの問いに接近しようとする思索が、魂の不滅や他界という伝統的なモチーフとの複雑な切れ結びの中で、あらためて試みられてきている。 [授業計画と内容] 1. 死(者)の問いの在処:問題の提示と説明【2回】 *取り上げる思想家の顔ぶれは、若干変更する可能性がある。 |
特殊講義 | 杉村靖彦 | 後期水4 | 田辺哲学研究 | [授業の概要・目的]
田辺元の哲学的思索は、その異様なまでの凝縮度と彼固有の論理への偏愛によって異彩を放っている。田辺は西洋哲学の最前線の動向、諸学問の最新の成果を飽くことなく摂取し、歴史的現実にもそのつど敏感に反応しつつ、それら全てに自前の思索によって緊密な総合を与えるべく、生涯血の滲むような努力を続けた。彼の濃密にすぎる文章はそのようにして生み出されたものである。この凝縮体を丁寧に解きほぐし、そこに封じ込められたさまざまな展開可能性を切り出すことによって、今日のわれわれがリアルな接触をもちうるような形で語り直すこと。それが本講義の狙いとするところである。本年度は、「種の論理」が1930年代終盤に「国家存在論」へと傾斜する過程を詳しく考察した上で、その挫折を通して「懺悔道としての哲学」として再生していく道程を辿っていく。 [授業計画と内容] ① 西田哲学との相互批判・相互影響、および他の日本の哲学者たちとの関係 なお、最後の授業は、本学期の講義内容全体をめぐる質疑応答と議論の場とし、講義内容の受講者へのフィードバックを図る。 |
特殊講義 | 市川 裕 |
前期集中 |
聖書解釈から考えるユダヤ思想入門 | [授業の概要・目的]
ユダヤ教は聖書に立脚した宗教であるが、キリスト教と聖書を共有するとはいえ、それ独自の思想体系と行為様式を備えた宗教として今日に至っている。これは基 本的に聖書に対する取り組み方がキリスト教と異なっていることを意味している。本講義では、ユダヤ教が2000年以上にわたってヘブライ語聖書に与えてき た解釈の営みを通してユダヤ思想の特徴を捉えることを目的とする。ユダヤ思想の中でラビたちの営みに焦点を当て、啓示法の宗教に至る歴史を概観したのち、 主としてタルムードのテキストを対象に、聖書解釈の具体的事例を分析し、ユダヤ思想に対する理解を深めていきたい。 [授業計画と内容] 集中講義の利点を生かして、1日単位で講義の内容をまとめるよう工夫してみたい。 |
演習 | 安部浩 | 前期金4後期金3 | フッサール『論理学研究』第六研究を読む | [授業の概要・目的]
19世紀から20世紀への変わり目に、大部の哲学の専門書が刊行された。何の変哲も無い表題にもかかわらず、その数々の斬新なる所説の故に、同書は忽ち、少なからぬ支持者ー「ミュンヘン現象学派」、シェーラー、ハイデガー等ーを贏ち得た。 [授業計画と内容] 原則的には毎回、予め指名した二名の方にそれぞれ、報告と演習の記録を担当して頂くことにする。なお本演習の進度は、その年度の受講者各位の哲学文献読解力の如何によらざるをえない為、各回に読む箇所については、初回のガイダンスの際に委細指示することにする。 |
演習 | 杉村靖彦 |
前期水5 |
ジャンケレヴィッチ『死』 を読む (1) | [授業の概要・目的]
ここ10年来、哲学や宗教が長らく根本問題の一つとしてきた死や死者という問題が、たとえば「死生学」といった新たな意匠の下で盛んにとりあげられてきたが、その際「一人称の死」「二人称の死」「三人称の死」という区分法が自明の事のように用いられてきた。それを最初に提示したのが、ジャンケレヴィッチの大著『死』(1966)である。死の三区分が便利な符牒として独り歩きする一方で、独自の用語を駆使し濃密な文章で展開されるこの著の叙述自体は、ほとんどまともに理解されていないとい言っても過言ではない。 [授業計画と内容] 第1回 導入 |
演習 | 杉村靖彦 |
後期水5 |
ジャンケレヴィッチ『死』 を読む (2) | [授業の概要・目的]
ここ10年来、哲学や宗教が長らく根本問題の一つとしてきた死や死者という問題が、たとえば「死生学」といった新たな意匠の下で盛んにとりあげられてきたが、その際「一人称の死」「二人称の死」「三人称の死」という区分法が自明の事のように用いられてきた。それを最初に提示したのが、ジャンケレヴィッチの大著『死』(1966)である。死の三区分が便利な符牒として独り歩きする一方で、独自の用語を駆使し濃密な文章で展開されるこの著の叙述自体は、ほとんどまともに理解されていないとい言っても過言ではない。 [授業計画と内容] 第1回 導入 |
演習Ⅱ | 氣多雅子 杉村靖彦 |
金4・5(隔週) | 宗教哲学 基礎演習 |
[授業の概要・目的]
宗教哲学に関わる基本文献を教師とチューター役の大学院生の解説を手がかりに読み進めていくことで、概論と専門研究の橋渡しになるような知識と思考法の獲得を目指す。また、4回生以上の宗教学専修在籍者は、卒論執筆に向けた研究発表を行う。 [授業計画と内容] 宗教哲学の基本文献といえる著作や論文を選んで各回の授業に割り振り、事前に出席者に読んできてもらう。そして、毎回教師とチューター役の大学院生の解説をもとに、質疑応答と議論を行っていく。また、卒論向けの発表の際には、論述の仕方や文献の扱い方なども指導し、論文の書き方を学ぶための機会とする。隔週15回の授業計画の目安は以下の通りである。 第1回 オリエンテーション |
演習Ⅱ | 氣多雅子 杉村靖彦 |
金4・5(隔週) | 宗教学の諸問題 | [授業の概要・目的]
演習参加者が、宗教学の諸問題のなかで各人の研究するテーマに即して発表を行い、その内容をめぐって、全員で討論する。討議のなかで、各人の研究を進展させることが目的である。 [授業計画と内容] 参加者が順番に研究発表を行い、それについて全員で討論する。各人の発表は二回にわたって行う。即ち、発表者は1時間以内の発表を行い、続いてそれについて討論する。発表者はその討論をうけて自分の発表を再考し、次回にその再考の結果を発表して、それについてさらに踏み込んだ討論を行う。したがって、1回の授業は前半と後半に分かれ、前半は前回発表者の二回目の発表と討論、後半は新たな発表者の一回目の発表と討論となる。 |
講読 | 加藤希理子 |
木3 |
John Hick, ”Philosophy of Religion (4th Edition)” を読む | [授業の概要・目的]
この授業では、John Hickの“Philosophy of Religion (4th Edition)”を精読する。「宗教の哲学」と題された本テキストでは、特定の宗教の立場を擁護するのではなく、そこから離れて「宗教を哲学的に思考する」ことに主眼が置かれ、哲学の一部門というスタンスが貫かれている。そこでは、神の存在証明や信仰と啓示など西洋の伝統的な議論が扱われるとともに、現代の動向を踏まえ、世俗化した時代において、宗教的信念を持つことの合理性や多数の宗教の伝統がいかにして相互に歩み寄っていくかという宗教多元主義についても扱われている。また、ヒンドゥー教や仏教といった非西洋の宗教思想にも言及がなされている。本書を精読することを通じて、研究文献の基本的な読解力や分析力を身につけるとともに、異他なるもの同士の対話についても考えていきたい。 [授業計画と内容] 第1回 イントロダクション 第2回~第14回 テキストの精読 第15回 まとめ |
講義 | 氣多雅子 | 前期月5 | 宗教学A(講義) | [授業の概要・目的]
宗教哲学がどのように成立し、どのような必然性をもって展開してきたかを明らかにする。それを通じて、宗教とはいかなる事象であるか、現代世界において宗教哲学はいかなる課題を担うか、ということについて理解することが、この授業の目的である。 [授業計画と内容] 以下のような課題について授業をする予定である。 1.神話的思惟と哲学的思惟、2.ユダヤ教とキリスト教、3.キリスト教神学の成立、4.中世における神学と哲学、5.宗教改革、6.近世における宗教的状況の変容、7.近代科学の成立と哲学、8.理神論の登場、9.宗教哲学の成立(1)、10.宗教哲学の成立(2)、11.宗教哲学の展開、 12.宗教批判の進展とニヒリズム、13.否定性をはらんだ宗教哲学、14.日本の宗教哲学、15,現代の宗教哲学の諸問題。 |
講義 | 氣多雅子 | 後期月5 | 宗教学B(講義) | [授業の概要・目的]
宗教哲学がどのように成立し、どのような必然性をもって展開してきたかを明らかにする。それを通じて、宗教とはいかなる事象であるか、現代世界において宗教哲学はいかなる課題を担うか、ということについて理解することが、この授業の目的である。 [授業計画と内容] 以下のような課題について授業をする予定である。1.宗教という概念(概念の成立、多義性、変容)、2.「宗教学」の成立、3.宗教学の研究分野、4.宗教史の諸研究(1)、5.宗教史の諸研究(2)、6.宗教人類学の成果(1)、7.宗教人類学の成果(2)、8.宗教社会学の成果(1)、9.宗教社会学の成果(2)、10.宗教心理学の成果(1)、11.宗教心理学の成果(2)、12.宗教現象学の成果(1)、13.宗教現象学の成果(2)、14,日本の宗教と宗教研究の現状、15.現代の宗教学の課題 |